開放より2段絞ったところ

徒然なるままに…主にカメラの事を書いていくことになるかと。

HP300+ と Ti-30XB購入しました

fx-JP900を入手してからそんなに時間は経っていませんが、毎度のごとくオタク精神が発揮されて今度は電卓を収集したくなりました…。

特に学校教育で高校から関数電卓が普及しているオーストラリアとそうではない日本では取扱商品も全く異なるわけでして…。関数電卓の主なメーカーはカシオ、シャープ、キャノンと日本に集中しているので日本で販売されている関数電卓は種類も豊富で、価格も安めです。が、求められる機能や使用環境(豪州だと大学入試でも使われる)の違いから、海外特にオーストラリアには変な関数電卓が沢山あります。

 

変態電卓国家・オーストラリア

例えばオーストラリアで現在一番一般的な関数電卓:fx-82AU PLUS IIは…

型番に「AU」とついている通りこの機種は何とオーストラリア限定モデルです。といったって別にプレミアとかあるとは思えませんが…。外見はカシオの一世代前の関数電卓群に酷似、というか多分筐体は同じですねこれは。日本版でもfx-373ESの筐体が長い間流用され続けていろいろな機種名で出ました。fx-82AU PLUS IIも系統としては373ESに当たり、中でも構造的にはソーラーパネルを備えない点では直系といえるでしょう。ちなみにカシオの自然表示電卓シリーズからソーラーなしのモデルは一掃されており、373ESの直系は絶滅しています。

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左がfx-373ES、右がその後継にあたるfx-375ES。ソーラーパネル以外に違いが見つけられません…。

まれに見るアメリカ勢

こういう小さな違いもあれば、日本では一般的ではなかったり、取り扱いがないメーカーのものもあります。Hewlett-Packardヒューレット・パッカード、HP)やTexas Instrumentsテキサス・インスツルメンツ)は日本では(電卓の分野でいえば)全くと言っていいほどなじみがありません。HPはあのパソコンメーカーのHPです。コンピュータはアメリカで反映しましたし、電卓も一種コンピュータと考えればアメリカ勢強しか…?期待が高まります。

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左がHP、右がTiのフラグシップ関数電卓です。聞きなじみ顔なじみない会社の電卓ですが、アメリカでは一番普及しているのだとか。ちなみに両者ともアメリカの会社です。

レビュー

お待たせしました。

それではいよいよ商品を見ていきます。

HP300s+

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外観

形状はシャープのそれに近いのかなと思います。カシオの電卓が丸っこいものが多いのに対してHPは真四角というレベルです。またフルブラックというのもゆがみない…。デザインはこれほどになくシンプルですが、個人的にはかっこいいと感じます。

サイズも微妙に小さくて、関数電卓では中の下くらいの大きさ。カクカクしているおかげで見た目にも小さいです。ただ厚みは標準からすると比較的厚い部類に入ります。とはいえあくまで標準のサイズから大きく逸するわけではないのでそこまで問題にはならないかと思います。

文字表示もフォントはシンプルなゴシックで、青とオレンジで配色されており、見やすさはかなりいいと思います。(logのフォントがlogicoolのアレに見えるのは私だけでしょうか…)カシオは赤緑の配色なので、見づらいなと思うことはしばしばあります。

液晶表示は彼のカシオさんの自然数式表示で、式が少し複雑になっても混乱しにくいです。液晶には保護用のアクリルがはめ込まれており、角に汚れがたまることもなさそうです。ただしそのアクリルのせいか液晶に届く光が少ないようで、画面が少し暗く見えますコントラストを上げようが下げようがバックライトのない関数電卓ではこの問題はどうしようもありません。電卓には一癖二癖あるのは承知ですが、さすがにこればかりは何とかならないのかなと思います。

操作感

まず持った感じは、fx-JP900とサイズ的な違いはあまりないはずなのに安定感があるような気がします。多分比較的重量パーツである電池が一番上に配置されているので、見かけ以上に長さの違いは大きのでしょう。

テーブルに置いた時も大き目のゴム足のおかげで滑ったりすることはなく、またキーを叩く音も緩衝されて非常に気が利くなと思いました。カバーの立て付けはよすぎるほどよく、購入後開封したときにはカバーを外すのに苦労しました…。ただ使い込むうちにがばがばになることを考えればこれくらいがちょうどいいのかなと思います。

キーストロークとタッチは長め重めで、押した感じはしっかり伝わります。日本のものはタッチ軽めのストローク短めなので、この辺は作りこみ方の違いが出ています。どちらも好きですが、個人的にはキーの感触がしっかりしているHPのほうが高感度高めです。

キー配置もカシオより合理的だなと感じるところが多いです。例えば自然表示ではほとんど使う機会のない(-)キーが裏に配置されていたり、log̻̻□▯キーやRecallキーが表に出ていたり…。10のべき乗とlogが、ネイピア数eのべき乗とlnが対になっているのもいい点です。またπとeが見やすい中段に引っ越されているのもいいと思います。ただSHIFT/ALPHAとπ/eは少し距離が遠いので、慣れない私は一瞬手が止まってしまいます。あと小数固定表示ができないのにS⇔Dキーが上のほうにあるのはマイナスポイントです。この点はカシオの方がよかったり。

操作感としては総合的にかなりいいのではないかと思います。

機能性

どうやら中身はカシオ製らしく、搭載機能は一昔前のカシオ機と同じです。設定画面を見てみるとやはりカシオのそれ。よくも悪くもカシオで、先述の小数固定表示ができません。これ何が面倒なのかというと、数学はともかく科学系では分数で答えを書くことはまずないのですよ。また分数で式を記述したときに分数で返してくるのは理解できるのですが、普通の割り算の時もこいつは分数で返してきます。いちいちS⇔Dキーを推さないといけない上にそのキーはだいぶ上の方にある…。七めんどくさいですね。ほかの機能については豊富な割には余計な機能がなく、人が電卓に期待する機能を理解しているのかなと思います。めちゃくちゃ上からな言い方ですが…。しかし海外の電卓にあるVERIFYという使途不明の機能がついています。謎機能はそれくらいです。個人的にはCALCとTABLE機能があるのが非常にうれしい点。

またカシオの中身とは言え、アルゴリズム(計算の仕方)が若干違うのか、計算精度が少し高めです。さすがにキャノンのf-789SGとまではいきませんが、tan(355/226)の結果は「-7497258.159」で精度は8桁です。高性能を謳うJP900を含めたカシオ機が7桁までしか精度が出ないので、電卓としての性能は少しプラスです。

総論

液晶の視認性の問題があるもののそのほかの基本的な性能はほぼ完璧です。カシオLSIを採用している機種にしては使用感が大変よく、気に入っています。

Ti-30XB

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外観

私感ですが、Ti-30XBは世界一ダサい関数電卓だと思います。配色が明らかに子供向けといわんばかりです。カラバリは一色しかないので、購入者に人権はありません。さらにTi-30XB以外の従来型の関数電卓は30XBしかないので、色が気にくわなければ超高価なグラフ電卓を買わされる羽目になります。

…批判はともかく、この電卓は私の手持ちの関数電卓の中では今のところ一番でかいです。厚みも大きさも一番でかい。さらに形状が丸っこいので、見た目のサイズ的にはグラフ電卓レベルになります。

ALPHAキーがないので、キー周りはすっきりしていて、キー間隔は広めなのかなと思います。ちなみにキー数は十字キーを除いて41です(JP900: 46、HP300s+: 46)。なんでキーがこんなに少ないかというと、文字キーが一つしかないからなんですが…その辺は後で触れます。

この電卓の特徴的なところは、電源を切ったりモード切替をしても数式とその答えが消えない点。そのためスリープに入ってしまって答えが見れなかったとか、そういったアクシデントがありません。また式と答えが一列ないし長い場合は二列で表示されており、違う計算が最大4個分表示され続けます。これは連続して計算をするときに途中式を見ながら計算できるので非常に便利。

操作感

手に持った感じは不自然という感じはありませんが、大きさがそれなりにあるのとハードカバーの形状の問題で手になじむ感じはありません。また大きさの割には軽いです。HP300s+同様カバーと本体底面にはゴム足がついています。ただしゴム足は小さいもので、そのうち取れてなくなってしまいそうですね…。

例のカバーですが、スライド型ではなくて、爪を浮かせてつけ外しするタイプで、確実に固定されますし、ガバガバになる可能性も低いですが、若干めんどくさいなとは感じます。

キータッチはHP300+のそれよりさらにしっかりしていて、割と「カチッ」と行くタイプです。それぞれのキーには若干ですが傾斜がつけられており、反射が少なくタッチの感触もいいです。

そしてキーの配置はπが表に出ているのが目に新しいです。使用頻度はかなり高いキーなのでこの設計は正解かなと思います。そのほかのキーはカシオ機などと変わりませんが、Ansキーと根号が裏にあるのが納得できません。うん、納得できない。またネイピア数だけを出すことは不可能で、eを出したければe^1としなければなりません。この辺の操作性は大学での使用を考慮していない為でしょう。ネイピア数は中学高校の範囲では出てきませんから、おまけ程度に付けたのだと邪推します。また表は表でもDeleteキーが一番上の列にあるのはいやがらせかとすら思います。

また文字キーが一つしかない件ですが…。良くも悪くもという感じで、ALPHAキーを排除したのは大きいポイントですが、例えばyを出したいときはxキーを二回、一番最後に割り当てられているcに至ってはキーを7回も押さなければなりません。ああめんどくさい!!どうせなら数字キーに文字を当ててしまうのも考えとしてはあったのではないでしょうか…。

分数/小数問題については次項で言及することとします。

機能性

やはり中学高校での使用前提なようで、機能は控えめな印象があります。CALC機能や因数分解はありません。CALCは便利なのであってほしいかなと思いますが、まあ必須機能とまではいかないでしょう。関数電卓としてはあくまでおまけです。その代わりといっては何ですが、K機能(コンスタント)がついています。これはKに式を記憶させて同じような計算を繰り返すCALCに近い機能です。例えばK=*2+3と入力し、次に2と入力してenterを押すと2*2+3の計算結果7が返ってきます。私としては演算記号を一番前に持ってくるのはちょっと気味が悪いのですが、CALCより手数が減る分計算によってはこちらの方が便利かもしれません。

機能控えめといった割にはtable機能(式を立てて各値ごとの結果を一覧化)やdata機能(俗にいう統計機能)がついています。CALCを完全代用するならtableのほうが便利かもしれません。こちらはカシオと違って複数の式を同時に計算できない代わりに変数の値の上限がありません(というか設定できない)。統計機能はJP900程ではありませんが、標準偏差など各統計値が一括で見れるので、旧型カシオ機よりはいいと思います。まあ私は使いませんが。

また小数固定表示ができない点はカシオ機と同じです。切り替えボタンはenterキーのすぐ上についていて操作性でカバーされていますが、式・答えが長くなると画面が文字で埋め尽くされるので、ちょっと不親切です。

総論

カシオ製LSIが大部分を占める今日において、独自のLSIを搭載している機種は物珍しいですが、良い点悪い点は両方あります。一言で言ってしまえば癖の強い機種です。

まとめ

カシオ機をもう一台買おうかと思ったのですが、この2メーカーの独自性に惹かれて今回の選択に至りました。HP300s+はカシオLSIなので完全独自とは言えませんが、むしろ同じLSIなのにこうも操作性が違うのは驚きです。またTiとの出会いはかなりインパクトがありました…。今後は別のカシオ機や精度自慢のキャノン機も気になりますが、これも独自LSIであるシャープ機や別のTi機、HPは具体的にRPN記法という癖の塊のHP35sを入手できたら試してみます。

fx-JP900のレビュー

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私今オーストラリアに留学中で、それこそ普通科の高校でも数学や科学をとっていれば電卓はバンバン使います。

それも普通の電卓ではなくてこっちの学校で主に使われるものはいわゆる関数電卓(英語だとScientific calculator)というものです。普通のものとの違いは名前の通り多くの関数を備えていることで、数学・科学分野の複雑な計算を可能としているところです。例えば普通の電卓にsin・cos・tanの計算機能が備わっていることは極めてまれ、というかほぼないといっていいと思います。関数電卓ならば基本的にこれらの機能は網羅しています。

とまあ前置きが長くなりましたが、趣味の写真でも露出の計算とかをするときに√2が大量に出てくるおかげで非常にお世話になります…。対数関数が使えるのも助かります。もちろん日本の学校では関数電卓は使いませんでしたし、家にもありませんでした。なので渡豪してから新しく買ったのですが、どれを買えばいいのかわからなかったのでとりあえずスーパーにあった安いやつを買いました。ですが使っているうちにもっといいのが欲しい!と思うようになり、今出ている関数電卓で「一番いい」やつを買いました。

それがカシオから出ているfx-JP900という電卓。

お値段・入手方法

日本だとだいたい5000円くらいでしょうか?ネットだと3500円くらいでも買えると思います。最上位機種でもそんなに高くないですね。Amazonでも普通に売ってますし、家電量販店にも置いてあるようです。

外観

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大きさは関数電卓としては並程度。Xperia Z5より一回り大きいので、少し大きめのスマホ程度です。邪魔にはなりますが、ポケットには一応収まります。ただし片手だと端っこのボタンまで手が届きません…。右利きの人は左上のSHIFTキーに指が届かないと思います。まあ関数電卓は基本的にテーブルなどにおいて使うことがほとんどなのでさほど問題にはならないと思います。

今までのカシオの関数電卓とは違って非常にデザインを意識しているようです。表面はカーボン調のエンボス処理がされており、一番上の列に並ぶSHIFT、ALPHA、MENU、ONと十字キーはメタル調でキラキラしてます。関数電卓は特にやぼったいのが多いので、こういったタイプは珍しいです。キーのフォントも従来のゴシック調から少し角が立ったフォントになり、個人的にこれは結構好きです。この手のフォントってプログラミングでもよく使われていて、視認性がいいんですよね。

後述しますが、目玉機能の高精細ディスプレイとはいえ今までの関数電卓とサイズは変わらないようです。ただあまり大きくはないものの画素数は4倍とかに増えているので、文字が多くなっても見やすいです。

機能

さてこの電卓を語る上でまず外せないのが液晶画面です。初期の関数電卓の7セグメントに始まり、LCDに遷移した後は進化の一途をたどっています。カシオは初めて関数電卓に「自然表示」という数式を教科書などの表示と同じ自然な形で表示する機能を付けました。これにより分数や根号などの表示ができるようになりました。そしてこのfx-JP900に搭載された液晶が真骨頂です。従来の自然表示からさらに精度を上げて関数電卓としては初となる日本語表示を取り入れました。さらに英語表示でも今までは略称をもちいていたところに全文を入れたり、極め付きにはQRコード表示によるスマホ連携機能やスプレッドシートの操作が可能に。同じくカシオの姉妹機・JP700/500も同様の液晶を搭載していますが、QRコードスプレッドシートはJP900のみの機能です。

また演算能力も同時に向上しており、複雑な計算も素早くこなせるようです。

気に入らないところ…

この電卓の革命的なすばらしさは十分理解しているのですが、それでも道具として気に入らないところがあります…。

まずキーアサイ。数値積分謎のxキーのせいでよく使うキーが裏(SHIFTを押す必要がある)になっています。慣れてしまえば困ることはありませんが、やはり使用頻度が高いものがすぐ使えないのはいささか不便な点です。またRECALLがSTOREの裏になっているのも私としては気に入らない…。せっかくRECALLを押せば全メモリの数値が一挙に確認できるのにそのRECALLキーは裏です。そしてネイピア数 eが裏なのは理解できますが、それが配列の一番下にあるのが面倒…eのべき乗は上の方にあるのに。またこれはカシオ機全般に言えることですが、 \piが裏にあるのはどうにかした方がいいんじゃない?と思います。 \piはもっとも使用頻度が高い定数といってもいいですし、これが表に出ていればかなり計算の効率が上がると思います。

また例の液晶もまだ完全とは言えないようです。高精細になったのはいいのですが、従来機より数字の表示が小さくなってしまいました。また画面の切り替わりの際に少々ラグがあります。機能面に問題はありませんが、改善の余地はあるのだと実感させられます。

これは気に入らないところではありませんが、ここまで来たならパソコンも味方につけてしまってはどうかとすら思います。結局レポートはスマホで作るわけではないですし、パソコンでQRが読めるならば困ることはありませんが、普通はしませんよね…?USBに対応しているポートでパソコンと通信できればいいんだけどな…。

まとめ

よく高機能を謳う商品にはありがちですが、高機能すぎるが故上位機とのすみわけが上手くいかず、中途半端になってしまうという現象。この電卓もそのかわいそうな犠牲者の一人ではないでしょうか…?ここまで機能を突き詰めたならグラフの表示くらいさせてくれてもいいような気がします。

ともあれグラフ関数電卓は高級品ですし、正直グラフならパソコンで作った方が見やすいので、その点スマホをディスプレイ代わりにしてしまうのは正解だと思いました。

今後改善されるべき点としては、どういった機能を電卓に残すかというところ。電卓の良さはシンプルさだと思うので、機能を詰め込み過ぎてもどうなのかなと思います。

遠心力とは

こんにちは、壁紙です。

 

最近ふと思ったことがあります。

 

「円運動って、なんで外側に引っ張られるのに向心力求めるの?それ普通遠心力でしょ???」

 

つまり、向心力遠心力の違い。

 

ここだけ押さえる!

特に式は覚える必要はなくて、覚えておいていただきたいのは「力が働いていれば、加速している」「加速していれば、力が働いている」ということ。そして「加速と力の方向は同じ」。

運動ーおさらい

ちょっと難しい話(知りたい方向け)↓

加速度と力の関係を明らかにしましょう。加速度というのは、要するに一秒間でどれだけスピードが上がるかということになります。例えば0m/sから一秒で2m/sまで加速した場合、加速度は2m/s^2になります。

 

まず加速度の求め方を式にすると、

a = \frac{\Delta v}{\Delta t}

 a: 加速度 (m/s^2), \Delta v: 速度の変位 (m/s), \Delta t: 時間の変位 (t)

...これでは難しすぎると思うので、

 (加速度) = \frac{(速度② - 速度①)}{(時間② - 時間①)}

要するに速度が増加した分を、時間が増加した分で割ればいいわけです。もし速度②が速度①より低い数字だったら加速度はマイナスになり、減速しているという意味になります。

 

続いて加速度と力の関係を説明します。

大原則は「力が働いていれば、加速している」または「加速していれば、力が働いている」ということ。ここでいう加速とは速度が変化しているということなので、仮に減速していても加速しているという言葉に統一します。

これはニュートンの第二法則であらわすことができ、

 F = ma]

 F: 力 (N), m: 質量 (kg), a: 加速度 (m/s^2)

となります。ここでいう質量は基本的に日常的に使う意味での「重さ」と考えていただいていいと思います。単位はキログラムです。ちなみに重さというのは実はキログラムなどの単位ではかられるものではなくて、力と同じニュートン (N)という単位が使われます。

円運動の基本

円運動とは、釈迦に説法ですが、円の周りをまわる運動のことです。

ここでは簡単のために水平面上の等速度円運動で話を進めていきます。ちなみに等速度円運動というのは、名前の通り速度が常に一定の円運動のことです。この名前とか意味も覚えなくていいです。地面でアリか何かがぐるぐる回っていると思ってください。

 

次に加速度について考えます。円運動は当然直線運動ではなく、直線運動ではないということは、運動の向きが絶えず変わっています。つまり、どこかに向かって絶えず加速しているというわけです。そのどこかというのが中心です。

具体的な例を考えてみましょう。運動会のリレーのコースってだいたい200mとか400mとかが多いと思いますが、楕円のコースになっていますよね。ここで直線を走るとき曲線を走るときの、走り方の違いに気づいてください。直線では当然前に進みたいから地面を後ろに蹴りますよね?曲線ではどうでしょうか。後ろに蹴るだけですか?多分曲がるためにはコーナーの外側に向かって地面を蹴る必要があるのではないでしょうか?蹴る方向と反対の方向にあなたは進む、ということは外側に蹴る時実は内側に向かって進んでいる(加速している)のです。

 

この「中心に向かって加速している」というのは同時に「中心に向かって力が働いている」ということにもなります。これを物理用語で向心力といいます。

バケツと綱引き

では話を戻しまして、遠心力とはなんぞやと。ことばで説明するより経験論でいった方が多分早いしわかりやすいと思います。バケツをグルグルするあれ。遠心力~って言いながらバケツ回しますよね?いうかどうかは別として、普通ならバケツを横にしたら中の水はこぼれてしまうのが当然ですが、回転しているときだけは不思議と中身がこぼれないのです…!これは回転によって水がバケツの底に押し付けられているから…というのが仮説です。果たしてこれは本当に正解か!!?

 

先ほどもお話ししたように円運動をするには常に円の内側に向かって加速する必要があります。その加速する力のことを向心力なんて言ったりもしますが、遠心力はこの応力として知られています。応力というのは簡単にいうと反対側に働く力で、綱引きの敵どうしと考えるとわかりやすいかと思います。

 

綱引きのたとえでそのまま話を続けます。もし二人が綱を同じ力正反対の方向に引っ張り合ったらどうなりますか?とんちじゃありませんよ!まあ普通に考えて引き分けですよね。つまり綱は動かないのです。これは向心力と遠心力にも同じことが言えて、こいつらは同じ力正反対の向きという関係があります。この向心力 vs 遠心力の戦いも引き分け、つまりトータルの力はゼロになるのです。

 

ところで一番冒頭でお話したことをまだ覚えていますでしょうか?

力が働いていれば、加速している」「加速していれば、力が働いている」ということ。そして「加速と力の方向は同じ」。

これによれば向心力と遠心力を足すとゼロになる、つまり加速がない状況になるわけです。…が、円運動は中心に向かう加速がないと成り立ちません

遠心力伝説の答え。

結論として、遠心力は存在しません。いままで解説してきたように遠心力があると考えると、向心力が打ち消されてしまって円運動にならないのです。

では「バケツの例」で体験したアレは何なのか。正体は慣性です。新しいワードが沢山出てきて混乱している方もいるかと思いますが、慣性とはモノがその場にとどまり続けようとする性質のこと。例えば電車が急発進したとき、立っているとがくっと転びそうになりますよね?あれはあなたの体がその場にとどまろうとしているのに電車は勝手に動いてしまい、その動きにつられて足が引っ張られ、結果的に上半身だけおいていかれるから。これがバケツの水だと、水はまっすぐ進みたいのにいつもバケツに引っ張られて円の中心に向かって加速するため、結果的にバケツにおいていかれる形になるわけです。なので水が何かに押し付けられているというよりは、水はその場にとどまろうとしているということです。

 

ちなみにこの慣性ですが、力の大きさとしては向心力と同じ大きさになります。これがややこしさを増大させるポイントですね…。

 

まとめ

日常生活を送る上では遠心力と向心力についてそれほど深く考える必要はないと思いますが、逆に言えばこういう日常にもいろいろ好奇心をくすぐる種はたくさん落ちています。

私もまだ勉強が必要ですが…身近なものに興味をもって過ごせたら楽しそうですね。

星空とノイズ

こんにちは、壁紙です。

 

この間、近所の公園で花を撮りがてらあたりももう真っ暗だったので天の川を撮ってみたんですが…

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こんな感じです。天の川をしっかり見たのは初めてでした。家の前からは全く見えないのにすぐ近所の公園では肉眼でもはっきり見ることができました。

被写体には満足です。すごくきれいで、川って呼ばれる理由がよくわかります。

ただ全体的にはいまいちなのです。なぜならノイズが目立つから。ざらざらした画面のせいでせっかくの星の煌びやかさが損なわれてしまっているのです。

 

ということで今回のテーマは星空とノイズと銘打ちまして、星空撮影におけるノイズ軽減のメソッドを考えていきます。

 

 

 

星空は関門

比較明合成をする時とは違って星が動かないようにシャッターを切らなければいけない関係上、ISOが上がりやすくなります。できるだけSSは遅くして感度を低くしようと努めてみましたが、1600くらいが限界でこの写真もISO3200での撮影です。レンズを明るいものにするのもありではありますが、私の手持ちでは18mm(換算28.8mm相当)より広角のレンズがなく、18mmはズームレンズのワイド端なのでF3.5とあまり明るくはないのである程度限界はあります。SSを10秒以上にすると星が動いてしまうので、ISOもつられて上がってしまう形になります。

私としてはとにかく感度は下げたかった…。なぜか。釈迦に説法ですが感度を上げるとノイズが増えてしまうから。

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先ほどの写真のズームアップです。編集で軽減をする努力はしましたが、まだ画面の粗さは見ることができます。

ノイズの種類

ひとことにノイズといっても写真に写りこむノイズというのは様々なものがあります。

この写真をオリジナルとして各種ノイズを付けていきます。

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1. 輝度ノイズ

これは簡単にいうと「白黒のノイズ」です。実際には名前の通り明るさの違う画素ができてしまうわけです。輝度ノイズが出た写真は基本的に「ざらざら」とした質感になります。一般的な対応策としては周囲のピクセルの色を平均してやるというものになります。

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2. 色ノイズ

これは画面に色のついた斑点状のノイズが出るものです。百聞は一見に如かずとも言いますし、さっさと例を載せておきます…。

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見た感じではあまり輝度ノイズとの違いはありません。

両者の違いは簡単に言えばカラーのノイズか、モノクロのノイズか、です。

フォトショのノイズを付加する機能でも「モノクロ」という項目があり、モノクロの方は輝度ノイズの呼ばれます。

3. 劣化ノイズ

これは特に画像編集を行った後に起こりやすいノイズです。限界を超えて明度を上げようとすると、データ的に「無理」が生じて、ノイズが発生します。

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この画像だと左上などに劣化がはっきりとみられます。

星の写真でもやはり明度やコントラストを無理に上げようとするとノイズが出やすいです。

一般的なノイズ軽減の方法

最近の写真管理ソフトがすげーなとおもうところは、ちょっとした編集もできてしまうことです。さすがに本家本元画像編集ソフトにはかないませんが、露出補正からコントラスト調整、ホワイトバランスまでほぼなんでもできちゃいます。それこそ写真を撮った後に必須となるような微調整なら画像編集ソフトに行く必要すらありません。

そんな中AdobeLightroomにはノイズ軽減という機能が標準装備になっています。

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元画像。

 

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明度を上げるとノイズが非常に目立ちます。

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Lightroomにはノイズ軽減(Noise reduction)という機能があります。

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上の小窓を見ながらノイズの調整をできます。

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こちらがホワイトバランス調整に加えてノイズ軽減を最大の設定でやってみたものになります。ノイズはだいぶ軽減されて見るに堪える写真にはなりました。

 

ただ普通のノイズ軽減では問題があります。

普通のノイズ軽減ではディティールをつぶすことでノイズを目立たなくしています。

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ノイズを取りきるのはやはり難しいのですが、変なごまかし方をするせいで寄ってみるといびつな絵になっています。遠巻きで見る分にはあまり目立たないかもしれませんが、やはり解像感は失われる印象があります。

 

他の方法を考える

普通のノイズ軽減の方法ではノイズが消えるどころか画質の劣化を招きかねないので、ほかの方法を考えてみましょう。

加算平均

これはHDRと似た手法ですが、同じ構図の写真を数枚撮って、ノイズの平均をとることで目立たなくしようというもの。高感度ノイズというのはランダムに出るものなので、平均した画像を取り出すことで一定程度はノイズの軽減が見込めるわけです。またどこかをぼかしたりしてノイズを目立たなくするのではないので、画質の劣化もかなり抑えられることが期待できます。

中央値

これ平均との違いがよくわからなかったのですが、だいたい同じものと考えていいのではないかと思います。ノイズ除去だけではなく、不要物の画面からの除去にも使われるようです。

ダーク減算(ダークフレーム減算)

長時間露光をすると撮像素子っていうのは熱を持ちやすいです。人間が深い考え事をすると頭が熱くなってくるのと同じように機械も何かしらの処理をしているときは少なからず熱を持ちます。カメラでいえば長時間露光は「センサー動きっぱなし」なので熱を持ってしまうわけです。熱を持つと人間なら頭痛になったりしますが、撮像素子は長秒ノイズや輝点というものを出してしまいます。

この輝点というのは暗くても出てしまいます。なぜかといいうと撮像素子由来のものであり、光学的なものではなくて電気的なものだからです。そのためノイズが出るところは一定で、その点ランダムな場所にノイズが出る高感度ノイズなどとは少し性格のノイズとなります。私は今まで出会ったことがありませんがこれが厄介なものだそうで、高感度ノイズなどのように後編集で消すのが難しいらしいとか。唯一このノイズを除去できる有効な手段がダーク減算またはダークフレーム減算といわれるもの。長時間ノイズ・輝点の一定の場所に発生するという特徴を逆手にとって、真っ暗な画像を使ってノイズだけをあぶりだし、その部分だけ引いてしまおう(=減算)というもの。

検証。

後々作業するのは自分ですし、どれくらい効果があるのか自分の目で見てみたいので検証をしてみました。

検証方法

一枚の写真に様々な量のノイズを加えて、それらにノイズ軽減の各手段を適用してみます。

 

こちらがノイズが乗った状態のオリジナルの画像です。

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ブログ掲載上の関係で縮小していますが、ノイズが乗っているのはよくわかるのではないかと思います。この画像を作るのに9枚の異なるノイズ処理をしてあります。この画像に各種編集を加えてノイズ除去をしていきます。

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詳細部の確認のため、以上の部分にズームインしてみます。

左上から①、②および③とします。

平均

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おお、かなり効果があったみたいです。画面のざらざら感はかなり改善されました。

一応ズームしてみてみましょう。

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左:オリジナル、右:平均。

こちらは①のズーム。全体的にザラつきがなくなり、特に右側の星雲のあたりの解像度がかなり高まっています。通常のノイズ軽減だとありがちな「星が少なくなる」という現象もみられません。

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左:オリジナル、右:平均。

②は画面左下の部分です。こちらでもかなり大きな効果がありました。オリジナルの左下は色ノイズによって黒部分が変な色になっていましたが、平均によってだいぶ改善がなされています。

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左:オリジナル、右:平均。

③は星雲の薄いところです。ノイズによって解像感が大きく左右されそうなパートですが、平均では滑らかさが出ているものの、星雲の繊細さは失われずに保たれています。

平均 - まとめ

思ったよりあっさり結果が出ました。結構いい結果です。元画像にさらにノイズを載せた感じになるので、解像度に限界があるのは承知でしたが、それでも結果はよかったのではないかと思います。

中央値

平均との違いが判らない中央値ですが…とにかく試してみるまではわかりません。

早速ですが、中央値の結果がこちら。

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平均値と同様、ノイズはかなり軽減されたようですが…寄ってみましょう。

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左:オリジナル、右:中央値。

こちらもやはり平均と同様に解像度を保ったままノイズの軽減に成功しているようです。

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左:オリジナル、右:中央値。

②ですが、こちらもいい感じ。若干平均よりも解像感があるような気もしますが…。

左:オリジナル、右:中央値。
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左:オリジナル、右:中央値。

色ノイズはだいぶ消すことができました。輝度ノイズはまだ残っていますが、おそらく元画像のノイズが原因かと思います。まあほかの画像でも輝度ノイズは残ったままだったので許容範囲です。

結果の比較

オリジナル、平均と中央値を並べて比較をしてみましょう。

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左:元画像、中:平均、右:中央値。

画像が少し小さいですが、ノイズの軽減具合でいうと平均値が、色の保存度でいうと中央値が少し勝っているように思えます。

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左:オリジナル、中:平均、右:中央。

こちらでも結果は同じような感じ。ノイズの減り具合でいうとやはり平均が優れています。

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左:オリジナル、中:平均、右:中央。

今回は色ノイズの減り具合に違いが出てきました。中央値を使ったときのほうが色ノイズの減少具合が大きいような気がします。

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左:オリジナル、中:平均、右:中央値。

一方星雲の薄い部分である③では決定的な違いはないように見えます。やはり中央値を使った方が色味がいいような気は心もちします。

結果。

調査の段階であまり大きな違いは見られませんでしたが、実験結果にもあまり大きな

違いは出ませんでした。ただ明確な違いとしてはノイズの減り具合と色の保存度に少しですが、違いが出ました。

今回の実験では同じ写真に異なる方法でノイズを載せたものにノイズ軽減処理をするというものでしたが、これでは正確な結果は出ないと思われます。あくまで今回の結果は参考の範疇に収まるのではないかと思います…。

次回は同じ構図で撮った複数の写真に同様の処理を行って結果を検証してみたいと思います。

それって必要!!?またカメラ機材を買う

こんにちは、壁紙です。

 

今月もカメラ機材を買おうと考えているのですが、メモがてらこちらに記録をしていきます。

 

NDフィルター

NDフィルターというのは簡単にいえばカメラのサングラスです。レンズを通る光の量を抑える役割を果たしてくれます。明度が高すぎるときなどにこれを装着することで、明るさをコントロールすることができます。F値が明るい大口径レンズや、長時間露光を日中にやる場合は必須のフィルターです。

このフィルターには大きく二つ種類があって、円形のものと角型のものがあります。

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円形フィルターは一番一般的なタイプです。NDフィルター以外にもPL(C-PL)フィルターやレンズの保護用フィルターもこのタイプ。

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角型フィルターはホルダーに板状のフィルターを挟む感じで使います。

私は今回角型フィルターを購入することにしました。

なぜ「一般的」な円形ではなくて角型を選んだかというと、円形フィルターはレンズに直接取り付ける形になるため、レンズごとにフィルターをそろえてやる必要があります。この点、ズイコーは全部Φ49らしいので楽なのかな…。私の場合は、Φ67, 62, 58, 52, 49のレンズがあるので全部そろえると5枚大きさ違いの同じフィルターが必要です。フィルターは安くても1500円くらいはするので1万円近い出費が計上できるわけです…。一方で角型フィルターはアダプターリング(画像参照)が間に入ってサイズに対応してくれるため、必要なフィルターの枚数を減らすことができます。またG-ND(ハーフND)フィルターに対応しているのも大きなポイントです。

どれを買うべきか…?

今までフィルターは保護フィルター含めて一切買ったことがないので、どれを買えばいいのかなんて皆目見当もつきませんでした。もちろん安いのは「安物買いの銭失い」なんて感じのレビューが多かったのですが、実写レビューなんか見てみるとWB調整と後編集でなんとかなりそうだったし、今まで使ったことがないなら試してみるだけ試してみようと思い、XCSOURCEというメーカーのものを購入しました。こちらは一応角型フィルターとしてはAmazonで売れ筋らしい。

フラッシュ関係

この項目が一番多くなりそうだったので、ひとくくりにしておきました。ストロボは一応安いのを持っているのですが、今までそこまでガシガシ使うことはありませんでした、しかし最近ブツ撮りを始めとしてポートレートを撮る機会が多いこと、動きを止めるのにストロボを多用することがあり、内蔵フラッシュの光量ではもちろん飽き足らずに外付けをいつも持ち運ぶハメになっています。ところがこのストロボが本当にかさばる。持って行ったからといって必ず使うわけでもないのに単三電池4本を入れているストロボを毎回カバンに忍ばせるのは何となく気がめいります。また外付けでも歩ッとシュー直付け&直射になるので、ポートレートでは絵が最悪。できる限りバウンスが得られる場所で撮るようにしたり、光量を抑えて自然光で頑張るようにしたりと努力は一応していますが、それでもどうしても光量が足りない時っていうのはあります…。なので今まであまり意識しなかったフラッシュ回りの機器をそろえていきたいと思うわけです。

ソフトボックス

私、ボックスって言っちゃいましたが買ったのはリフレクターです。ストロボにつける白いやつね。普通リフレクターっていうとでかいやつになるんですけど…それはモデル撮影でアシスタントの人が持ってる白ないし銀の板です。小さいやつはリフレクターなんですかね。

 

余談ですが、発光部にかぽっとはめる白いプラスチックの機材あるじゃないですか。あれなんて言うかご存知ですか?ディフューザーです。デフューザーではなくてディフーザーです。どちらも英単語にあるのですが、フラッシュの光をやわらかくする機材とアロマをばらまく機器は「diffuser」の方です。

話がそれましたが、このリフレクターがあるとバウンスさせなくてもいくらかマシな光を出せます。というかまあリフレクターにバウンスさせてるっていう言い方もできますが屋外での撮影になるとバウンスは使えませんし、室内でも天井の色がきつかったり遠かったりする時は現状直射をしています…。

シンプルな機材なのでやろうと思えば自作もできます。紙でもできます。私も今は紙で作ったやつを使っています。が、やはり使ってるとダメになるので、どうせ数百円なら買ってしまおうということでポチリ。

ストロボ(/スピードライト)ブラケット

報道カメラマンが使っているあれ。あれです。いやわからん。。。

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私はあいにく見たことがないです。むしろ報道カメラマンっていうとホットシュー直付けじゃない…?

なんていうのは別として、ホットシューってのは光軸の真上、つまり発光するとレンズの中心と同じ位置に向かって光が届くわけです。そうするとどうなるか。影が変な感じになります。特に人の顔を撮ると立体感のないのぺっとした感じの写真になりやすい。

そこで意図的に光軸からストロボを離してやるのがこのストロボブラケットという機材。少し横から光を当てることで陰影をつけることができ、不自然さを抑えることができます。

ちなみにこれを導入しようとすると二つ必要のものがあって…

  1. ブラケット本体
  2. オフカメラケーブル

というものが必要です。オフカメラケーブルってのは上記画像でホットシューから伸びているやつです。これが意外と高くて、ただのシンクロケーブルなら1000円もしないんですが、eBayではホットシューのタイプは2000円とかが相場でした。ものにもよりますが、ブラケットはただの金属の板なので1000円もしないものからあります。

ストロボトランスミッター

これはオフカメラケーブルに近い機能を持っていますが、違いとしては無線であることです。したがってライティングの配置に非常に自由度が持てるわけです。オフケーブルはカメラの近くにストロボを据える時に使いますが、トランスミッターは少し離れたときでも使えます。グループ写真でかなり役に立つのではないかと思います。

これもまあまあ値段が張ってですね…安物でも送受信機セットだと2000円くらいからです。特に急ぎの機材ではないので値下げ交渉を十分にしてからでも大丈夫そうです。

予備のストロボ

メインのストロボはNEEWERのNW-670を使っています。サイズ的には純正の中級クラスくらいの大きさがあります。そう、かさばります。なので普段スナップなどをするとき用に小さいストロボが欲しいのです…。

Canon フラッシュ スピードライト 270EX II SP270EX2

Canon フラッシュ スピードライト 270EX II SP270EX2

 

これくらいのサイズが理想的です。が、やはり純正品は少し高い。

この辺のクラスだと値段は3500円くらいから出ています。これくらいなら全然買えます。まあ今のストロボでもフル発光する機会そんなにないし、GN36くらいでも全く問題はないような気がします。まあ気になる点といえばチャージ時間ですか…。

こちらもしばらく現在のストロボを使ってみてそれでもやはり必要ということであれば別途購入したいと思います。

L字プレート

三脚にカメラを縦に据えるときってなかなか垂直にするのが難しいですよね。それに安定性も水平にしているときよりは落ちますし、クイックシューをつけっぱなしだと手に当たって邪魔です。それを解決するのがL字プレートなるものです。

ETSUMI 縦位置L型ブラケット E-6082

ETSUMI 縦位置L型ブラケット E-6082

 

これではないですが、私が購入を検討しているのもまあだいたいこんな感じ。ただの金属の板。

ただこれを導入して三脚に取り付けるには雲台がアルカスイスタイプのクイックシューに対応している必要があるのです。んなん持ってないわ。そこでアダプタも必要というわけで。

これを雲台にカメラを付けるときのようにネジをくるくるっとして取り付けるというわけです。ただ懸念点としては私の三脚はクイックシュータイプなので安定性が損なわれるのではないかという点。ただでさえBGつけてると安定性は下がります。

急ぎではありませんし、本当に必要なのか怪しいところなのでしばらくは保留。

ちなみに私が購入を検討しているもので、二つ買ってだいたい1000円くらいです。

円形フィルター

さっき角型買うって言ったじゃん!

いや角型にもデメリットがありまして…

まずC-PLフィルターというのが角型にはありません。くるくる回して効果を調整するものなので円形である必要があるわけです。

また高濃度NDがやけに高い…。日中の撮影だとND500とかのフィルターを使うのかなと思いますが、ND500やND1000の角型フィルターは高いです。濃度が高いと技術的レベルも高くないといけないのかな…?

C-PLはぶっちゃけ効果に疑問があり、NDもとりあえずは角型で試してみようかなと思っているところです。

…余談ですが。角型フィルターの項で

なぜ「一般的」な円形ではなくて角型を選んだかというと、円形フィルターはレンズに直接取り付ける形になるため、レンズごとにフィルターをそろえてやる必要があります。

なんて吹聴しましたが、ステップアップリングというものを使えば円形フィルターでもコスト面の問題は抑えることができます。

…角型買っちゃったよ。

まあハーフNDはどのみち角型ではないと使えないので仕方ないと。

水準器

これ忘れてました。

私水平感覚が悪くて、撮る写真の9割は傾いてます!!!(おい)

その癖を直したくて水準器を使おうと思ったのですが、X7iには水準器ついてないんですねえ…。残念。

ということで外付けのものを買うことにしました。といってもホットシューカバーの役割を兼ねた簡単な奴。

 

ホットシューカバー型水準器 デジタル一眼レフ用アクセサリー

ホットシューカバー型水準器 デジタル一眼レフ用アクセサリー

 

このタイプは前後左右方向の水準しか取れません。要は縦画面には使えないということ。

このようなタイプであれば縦画面でも付け替えなしで水準をとることができます。その代わり少しかさばりますが。

三脚使用時の水準器としても機能させたいので、両方のタイプを一応購入しました。とはいえ500円しませんでしたが。

まとめ

今回は本当に光に関する機材が多いですね。今まで気にしなかった分余計にそういうものが欲しくなるわけです…。欲を言えば新しいレンズが欲しいのもありますがまあ現状のレンズでほとんどの焦点距離カバーしてるんだから文句は言えない。

というわけで個人的なメモでした。

F値の謎

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こんにちは、壁紙です。

 

皆さん、F値ってご存知ですか?

そう、絞りの開き具合を表すのがF値です。絞りというのは人間やほかの動物でいう瞳孔であす。瞳孔は網膜に届く光の量、絞りはフィルムないし撮像素子に届く光の量を調整しているわけです。

F値が影響を与えるものとしては明度もそうですが、ボケ具合も関係してきます。F値ISO感度、SS(シャッタースピード)と併せて写真作りとは切っても切り離せないものなのです。

 

F値の難しい話。

F値って、私は最初どういうものか皆目見当もつきませんでした。というのも、F値が高くなればなるほど絞りが小さくなる=レンズを通る光の量が少なくなることはわかっていたのですが、具体的にF値がどのように定められていたのかは知りませんでした…。

そのF値の事実を知ったのは最近のことです。ちなみにF値の「F」とはfuckの隠語 focalから来ていて、日本語に無理やり訳すなら焦点比とかそんな感じになるのかな…。このF値とは言ってみれば焦点距離と開口部の直径の比で、式としてあらわすと、

F = \frac{f}{\phi}

F = F値, f = 焦点距離, \phi = 有効口径

 

ああ、難しい。こんな話聞きとうない。

カメラに数学なんてナンセンスだ!なんて思う方もいらっしゃるかもしれませんが、その実ほとんど数学でできているのがカメラ…。

まあ、まだ続けますけどね。

 

F値\sqrt{2}倍(だいたい1.4倍)になるごとに光量(面積)は半減します。よく考えてみるとF値って変な数値が多いですよね。それ実は\sqrt{2}の倍数になっているからなんです。この証明をちょっくらしましょうか。

f = 50(mm), \phi_1 = 50(mm)とし、F_1, F_2をそれぞれF値、\phi_2を有効口径、\\S_1, S_2を光が通過する面積とする。\\なおF_2 = \sqrt{2}F_1とする。

 

 F_1 = \frac{f}{\phi_1} \\ ~~~~ = \frac{50}{50} = 1

 F_2 = \sqrt{2}F_1 = \sqrt{2}

 \therefore \sqrt{2} = \frac{f}{\phi_2} \\ ~~~~~~~~ = \frac{50}{\phi_2}

 ~~\phi_2 = \frac{50}{\sqrt{2}} = 25\sqrt{2} ( \approx 35.36)

 

 S_1 = \pi(\frac{\phi_1}{2})^2 \\ ~~~~ = \pi25^2 = 625\pi

 S_2 = \pi(\frac{\phi_2}{2})^2 \\ ~~~~ = \pi\frac{625\times2}{4} = \frac{625}{2}

 \therefore S_2 = \frac{S_1}{2}

...ちょっと難しすぎる???

F値わかりにくい疑惑

わかると「あ~すげえ」ってなるんだけど、まあ普通はならないと思う。覚えといてほしいのは、「F値 \sqrt{2}増えると、光量が半分になる」ということ。増える半分。これが紛らわしい。増えてるのに減ってるって…すごくわかりにくいですよね。

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こういうの反比例なんて言ったりしますが、直観的にはF値も一緒に減っていってくれるとわかりやすいような。もっと厄介なのが自分で露出計算するときで、「え~と、F値 2\sqrt{2}増えたから、光は半分の半分の半分だから \frac{1}{8}で…」なんてこんがらがって頭が爆発しそう。

逆にしません?

そこで私が提案したいのが、「 \frac{1}{F}(エフオーバー)値」です。単純な話、F値の逆数なだけですが…。計算をするときにはこのFオーバー値を二乗すると面積比がすぐに出せるので、光量の増減が丸わかりです。

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というか、そもそも \frac{1}{F^2}で絞りを表示するのもありなんじゃないかななんて思いますけど。実際私が露出を計算するときは一回この \frac{1}{F^2}の形に直していますので、最初からこの表示になっていると非常に楽です…。(実際ISOやSSが半分になれば光量も半分になるのでそこの計算は簡単なのですが、F値だけ\sqrt{2}倍になると光量が半分になるのは本当に紛らわしいです。)

このような直観的に面積比がわかるような表示があってもよさそうですが、残念ながら現時点では「公称F値」というものが台頭しており、ほかの表示方法は普及していません。

そもそも論。

ここまでダルダル数学まで持ち出してきて申し訳ないんですが、正直F値って参考程度にしかならない値なんです。レンズの仕様によっては焦点距離を図る場所が変わってきますし(詳しくは「レトロフォーカス テレフォト」で検索)、レンズが伸びれば伸びるほどフィルム・撮像素子に届く光は少なくなります。なのでF値は写真を撮る上では確実な数字ではなかったりします。

またボケ具合というのも焦点距離やセンサーサイズによって異なりますし、そもそもその焦点距離っていうのも「参考値」くらいだったりするので、F値はほぼあてにならないといっていいでしょう。

この「曖昧なF値」問題を解決するにあたって世の中には「実効F値」や「T値」、「H値」があります。こいつらは光学的要素(レンズの透過率etc.)を考慮しているため、単純に「露出を決める」というプロセスにおいては(公称)F値よりこれらの数値が優位であることには間違いないでしょう。

それでも便利なF値

先ほど実効F値などの光学的要素を含んでいるとお話ししました。つまりF値には光学的要素は一切含まれておらず、単純に「焦点距離÷有効口径」で求められているわけです。

デメリットはやはりレンズの透過率だとか、実際の光量が考えられていない点です。が、メリットもあってまずは計算が非常にシンプルであるのと、絞りの有効口径が直観的にわかるところです。例えば実効F値というのは同じF値でも焦点距離や撮影距離で絞りの有効口径を変化させることで一定の光量を確保できるようにできています。つまり、同じF値でも絞りの開き具合が違うということ。これが実は厄介なところがあって、開放付近では問題になることも少ないでしょうが、絞りを小さくしたときに回折現象の回避光芒の量の調整が困難になることが予想されます。その点同じF値では同じ有効口径が担保されている公称F値はそういったことに関しては長けています。

まとめ

 F値はかなり広く使われている値ですが、その示す値の有効性に関しては疑問が残るものです。しかし現時点でほとんどのカメラ・レンズが公称F値という、[tex:F = \frac{f}{\phi}という式から求められる値を使っていることから、実用性は担保されていますしかなり特殊なケースでもなければ「有効口径∝光量」と考えてよさそうです。

ちなみにニコンだけは実効F値という焦点距離・撮影距離による光量落ちを考慮したF値を採用しています。しかし公称F値も実効F値も一長一短であるため、それぞれの得意不得意をしっかり把握しておく必要があります。

ライティングにこだわり始める

こんにちは、壁紙です。

 

今まではスナップを中心に撮っていたのですが、最近はブツ撮りも始めてライティングにこだわり始めました。

 

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最初にとってみた写真。懐中電灯を使い、長時間露光をしながら撮りました。初めてやってみたものにしては比較的満足のいく写真でした。

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多灯ライティング…と見せかけて使っているライトはストロボと懐中電灯だけです。SSを5秒くらいに設定して、一人で動き回っていろいろな角度から光を当てることで、一応多灯ライティングと同じ効果が望めます。

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ホリゾントに当てているストロボだけ残すとこんな感じになります。

これも人形の影が満足いく暗さになるまで撮影を相当数重ねました。

 

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こちらも数十枚繰り返し撮ってやっと納得のいくものが撮れました。

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ライティングの完成度としては満足が行くまでのレベルになりました。が、「表現する写真」にはまだたどり着けません。

 

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カワセミを探しているときにふと見かけた木が目に留まり、写真を撮ることにしました。あたりはすでに日が暮れていましたが、ライティングにこだわるならむしろ好都合。木の力強さ、花の可憐さが上手く表現できたのではないかと。

相変わらず機材はストロボと懐中電灯。ストロボ持って歩き回りました。

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現場で撮っているときはこれが一番好きだったのですが、今見返してみると木の力強さは表現しきれていない感じがします。

ライティングにはこだわりまくり、1時間くらいずっと木に張り付いていました。終わるころには外は真っ暗でした…。

 

ライティングはまだ始めたばかりで、研究も追い付いていませんが、これからいろいろなライティングをかじりつつ自分流のライティングを身に着けていきたいです。