こんにちは、壁紙です。
今回は4部構成の第2部ということで、前回の続きから。
写真を「遊び」から「趣味」へ
転換期
今までは遊びの側面が強かった写真撮影ですが、ある時を機に趣味へシフトチェンジさせていきました。それが鉄道、いわゆる撮り鉄というやつ。
具体的にいつが最初だったかはあまり覚えていませんが…。ちょうど京王5000系が走り始めたころ、つまり2017年の暮れかと思います。今まで動きものは撮ったことがありませんし、鉄道の知識自体あまりありませんでしたが、とりあえず撮るのが楽しくてよく出かけていました。
鉄道写真って思ったより難しいんです。構図に気を付けないと味気ない写真になってしまいます。被写体は特別なものではなく、あくまで日常目にする鉄道車両(まあもちろん蒸気機関車などは日常目にするものではありませんが)。ですのでいかに日常を美しく切り取るかっていうところが鉄道写真の醍醐味であったりします。
この鉄道写真の(あまり長くはありませんでしたが)経験が今日の「写真哲学」を形作っているのだと思います。ベストは撮れないだろうけど、オンリーが撮りたい。その気持ちが非常に強いのです。
意識の変化
それまでの写真は建物や景色が中心の写真ばかりで、その中に人物が入ることはほとんどありませんでした。むしろ人が写ることを避けて写真を撮っていたような気がします。
カメラについて知識を深め、沢山の写真を撮っているうちに今までより素早く自分の撮りたいものを忠実に撮ることができるようになりました。そうすると今までは避けていたあ「人物写真」というジャンルすら自分の視野に入ってくるわけです。
単焦点との出会い
単焦点については別記事で詳しく話したいと思うのですが…。それでも多分長くなりますw。私自身単焦点大好きなので…。
これまでの私は10年来使ってきたSIGMA 18-200mm F3.5-6.3 DCを使っていました。広角から望遠まで幅広くこなせる便利な一本です。しかしレンズとしては比較的暗い部類です。ワイド端の開放ではF3.5とそこそこ明るいですが、そもそもワイド端自体使うことってそこまで多くありませんし、一番よく使う標準~中望遠ではFが4~5.6くらいまで落ち込むので「のっぺりした写真」になりやすい。もっと特徴的な写真を撮りたい。もっとボケを利かした写真を撮りたい。そうして出会ったのが単焦点レンズというものでした。
一番最初の単焦点はYONGNUO YN50mm F1.8というものでした。はい、格安中華レンズです。私のカメラはEOS Kiss X7i、つまりAPS-C機ですから、表示焦点距離に1.7倍をすると実際の画面とだいたい同じになります。50 × 1.7 = 85mm相当になりますね。人間の視野が35mm換算50mm相当なので、85mmは中望遠になります。実際買って使ってみるとかなり画角が狭いな、と感じました。今までは「狭い」と思ったときはズームレンズをちょいちょいっとひねって調整ができましたが、単焦点はそういう融通が全く利きません。ぶっちゃけ言って不便です。最初はめちゃくちゃ不便に感じて、単焦点をもう一つ買いました…。
次に出会った単焦点は同じくYONGNUO YN35mm F2.0でした。YN50は6000円で、マウント部もプラスチックだったりしてちゃちさが目立ちましたが、YN35は9000円クラスとなり、全体的に高級感が増しています(とはいえ値段が値段なので安っぽさはあります)。こちらは35mm換算59.5mmになるので、標準レンズのたぐいに属するのではないでしょうか。9.5mmテレ側ではありますが、標準レンズとしては十二分の性能。
YONGNUO YN35mm F2 単焦点レンズ キャノン EFマウント フルサイズ対応 広角 標準レンズ
- 出版社/メーカー: YONGNUO
- メディア: エレクトロニクス
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見た目はほぼ同じです。使っているとたまにどっちつけてるかわからなくなる。
世界一不便なレンズ
単焦点って、写りはいいんですけど、ぶっちゃけそれだけなんですよ。利便性のかけらもありません。特にカメラ初心者からしたら被写体をフレームに収めるだけでも一苦労であることは確かだと思います(私も最初は苦労しました)。
ですが、カメラの仕事ってなんですか?別の言い方をすると…カメラのすることってなんですか?これは先ほどもちらっと述べましたが、世界を切り取る機械こそカメラなんです。世界には一生かかっても名前覚えられないくらいの人間がいるわけで、そこにはひとりひとりの暮らしがあって、ひとりひとりの世界があります。写真家は基本的にその自分から見える世界を切り取っていくことになるわけです。
そう、切り取るわけですから…。極論、被写体をすべて収める必要はないし、ディティールを再現する必要も全くないわけです。見えてる世界をそのまま写し取れば、それがその人の世界の入り口になるわけです。そういった意味ではレンズなんて買いそろえてシステム組む必要なんてこれっぽっちもないんです。ただ、どの焦点距離がその人の世界観に一番近いかっていうところがなかなか合わないから人はレンズを買いあさるのでしょう…多分ね。
とは言え基本は35mm換算50mm。これ今日覚えてくださいね。視野の中で焦点が合ってる範囲っていうのは多分みんなだいたいこの範囲なので、まずはこれを基準にするのが一番いいのかなと思います。
そしてこの35mm換算50mmですごい写真(雑)が撮れるようになれば、どの焦点距離いっても対応できると思います。
話が長くなりましたが、私も修行中…。どうしても便利レンズが他にあるのでそっちを使うことが多くなってしまいがちですが、やっぱり自分が撮ってて一番「写真って考えて撮るものなんだな」って感じるのは、35mmをKissたんに挿してるときです。これが私が35mm単焦点をAPS-Cユーザーにオススメする理由。
ひらめきが足りない
上の画像のキャプションでちらっと「ひらめき」という言葉を使いました。皆さんはひらめくことありますか?まあそんなに頻繁にはないかもしれませんが、どこかでひらめきに出会うというシチュエーションはあるのではないでしょうか。これはあくまでも私見なんですが、標準レンズでの撮影って「王道」とかってものがないのではないかと思うんです。モノの見え方は十人十色ですし、見えているものをそのまま写す標準レンズでの撮影方法も十人十色なんだと思います。そこが一番難しいところですね…。確かに「日の丸構図は避けるべき」とか「焦点は『目』に合わせる」とか、基本的な撮影テクに関する王道は標準レンズでも通用すると思うんです。ですが、何をどう写し取るかっていうところに全く決まった道がないのが標準なんだなと私は思います。
ここで自分が納得できる写真 = 我流の写真が撮れるかどうかっていうのは先ほども少しお話した通り、ひらめき何だと思います。
もちろんひらめきを得るまでの過程にはすさまじい努力が必要なわけです…。35mmにはいつも、私もまだ努力が足りないんだな、と自覚させられます。
【次の記事に続く】