開放より2段絞ったところ

徒然なるままに…主にカメラの事を書いていくことになるかと。

遠心力とは

こんにちは、壁紙です。

 

最近ふと思ったことがあります。

 

「円運動って、なんで外側に引っ張られるのに向心力求めるの?それ普通遠心力でしょ???」

 

つまり、向心力遠心力の違い。

 

ここだけ押さえる!

特に式は覚える必要はなくて、覚えておいていただきたいのは「力が働いていれば、加速している」「加速していれば、力が働いている」ということ。そして「加速と力の方向は同じ」。

運動ーおさらい

ちょっと難しい話(知りたい方向け)↓

加速度と力の関係を明らかにしましょう。加速度というのは、要するに一秒間でどれだけスピードが上がるかということになります。例えば0m/sから一秒で2m/sまで加速した場合、加速度は2m/s^2になります。

 

まず加速度の求め方を式にすると、

a = \frac{\Delta v}{\Delta t}

 a: 加速度 (m/s^2), \Delta v: 速度の変位 (m/s), \Delta t: 時間の変位 (t)

...これでは難しすぎると思うので、

 (加速度) = \frac{(速度② - 速度①)}{(時間② - 時間①)}

要するに速度が増加した分を、時間が増加した分で割ればいいわけです。もし速度②が速度①より低い数字だったら加速度はマイナスになり、減速しているという意味になります。

 

続いて加速度と力の関係を説明します。

大原則は「力が働いていれば、加速している」または「加速していれば、力が働いている」ということ。ここでいう加速とは速度が変化しているということなので、仮に減速していても加速しているという言葉に統一します。

これはニュートンの第二法則であらわすことができ、

 F = ma]

 F: 力 (N), m: 質量 (kg), a: 加速度 (m/s^2)

となります。ここでいう質量は基本的に日常的に使う意味での「重さ」と考えていただいていいと思います。単位はキログラムです。ちなみに重さというのは実はキログラムなどの単位ではかられるものではなくて、力と同じニュートン (N)という単位が使われます。

円運動の基本

円運動とは、釈迦に説法ですが、円の周りをまわる運動のことです。

ここでは簡単のために水平面上の等速度円運動で話を進めていきます。ちなみに等速度円運動というのは、名前の通り速度が常に一定の円運動のことです。この名前とか意味も覚えなくていいです。地面でアリか何かがぐるぐる回っていると思ってください。

 

次に加速度について考えます。円運動は当然直線運動ではなく、直線運動ではないということは、運動の向きが絶えず変わっています。つまり、どこかに向かって絶えず加速しているというわけです。そのどこかというのが中心です。

具体的な例を考えてみましょう。運動会のリレーのコースってだいたい200mとか400mとかが多いと思いますが、楕円のコースになっていますよね。ここで直線を走るとき曲線を走るときの、走り方の違いに気づいてください。直線では当然前に進みたいから地面を後ろに蹴りますよね?曲線ではどうでしょうか。後ろに蹴るだけですか?多分曲がるためにはコーナーの外側に向かって地面を蹴る必要があるのではないでしょうか?蹴る方向と反対の方向にあなたは進む、ということは外側に蹴る時実は内側に向かって進んでいる(加速している)のです。

 

この「中心に向かって加速している」というのは同時に「中心に向かって力が働いている」ということにもなります。これを物理用語で向心力といいます。

バケツと綱引き

では話を戻しまして、遠心力とはなんぞやと。ことばで説明するより経験論でいった方が多分早いしわかりやすいと思います。バケツをグルグルするあれ。遠心力~って言いながらバケツ回しますよね?いうかどうかは別として、普通ならバケツを横にしたら中の水はこぼれてしまうのが当然ですが、回転しているときだけは不思議と中身がこぼれないのです…!これは回転によって水がバケツの底に押し付けられているから…というのが仮説です。果たしてこれは本当に正解か!!?

 

先ほどもお話ししたように円運動をするには常に円の内側に向かって加速する必要があります。その加速する力のことを向心力なんて言ったりもしますが、遠心力はこの応力として知られています。応力というのは簡単にいうと反対側に働く力で、綱引きの敵どうしと考えるとわかりやすいかと思います。

 

綱引きのたとえでそのまま話を続けます。もし二人が綱を同じ力正反対の方向に引っ張り合ったらどうなりますか?とんちじゃありませんよ!まあ普通に考えて引き分けですよね。つまり綱は動かないのです。これは向心力と遠心力にも同じことが言えて、こいつらは同じ力正反対の向きという関係があります。この向心力 vs 遠心力の戦いも引き分け、つまりトータルの力はゼロになるのです。

 

ところで一番冒頭でお話したことをまだ覚えていますでしょうか?

力が働いていれば、加速している」「加速していれば、力が働いている」ということ。そして「加速と力の方向は同じ」。

これによれば向心力と遠心力を足すとゼロになる、つまり加速がない状況になるわけです。…が、円運動は中心に向かう加速がないと成り立ちません

遠心力伝説の答え。

結論として、遠心力は存在しません。いままで解説してきたように遠心力があると考えると、向心力が打ち消されてしまって円運動にならないのです。

では「バケツの例」で体験したアレは何なのか。正体は慣性です。新しいワードが沢山出てきて混乱している方もいるかと思いますが、慣性とはモノがその場にとどまり続けようとする性質のこと。例えば電車が急発進したとき、立っているとがくっと転びそうになりますよね?あれはあなたの体がその場にとどまろうとしているのに電車は勝手に動いてしまい、その動きにつられて足が引っ張られ、結果的に上半身だけおいていかれるから。これがバケツの水だと、水はまっすぐ進みたいのにいつもバケツに引っ張られて円の中心に向かって加速するため、結果的にバケツにおいていかれる形になるわけです。なので水が何かに押し付けられているというよりは、水はその場にとどまろうとしているということです。

 

ちなみにこの慣性ですが、力の大きさとしては向心力と同じ大きさになります。これがややこしさを増大させるポイントですね…。

 

まとめ

日常生活を送る上では遠心力と向心力についてそれほど深く考える必要はないと思いますが、逆に言えばこういう日常にもいろいろ好奇心をくすぐる種はたくさん落ちています。

私もまだ勉強が必要ですが…身近なものに興味をもって過ごせたら楽しそうですね。