開放より2段絞ったところ

徒然なるままに…主にカメラの事を書いていくことになるかと。

Crystal tipsのレビュー

お久しぶりです。

 

前回の記事で中華イヤホンの評価を宣言しておきながら結局のところまだしていないわけですが…

kabegamikamio.hatenablog.com

 

 

今回は巷で話題の「Crystal tips」(クリスタルチップス)のレビューをしてみます。

 

 

 

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Crystalline Audio HPより。

快適性を追求したフォームタイプ

フォームタイプ(柔らかいスポンジのようなやつ)のイヤーチップといえば、米・Comply(コンプライ)がほぼ独占状態。なんでも米軍のヘリ部隊の隊員がつけている耳栓と同じ素材で作っているそうで、装着感と遮音性が資財のイヤーチップです。実際に使ってみるとどんな耳の形にもフィットするので長い時間つけていても耳が痛くなるようなことはほとんどありませんし、騒音も高いレベルでカットしてくれるので、周りの音に気を散らされることなく音楽鑑賞に没頭できます。まさに音楽を聴くという行為の快適性を追求したイヤーチップが、フォームタイプです。

 

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米・Comply(コンプライ)のTx-500。フォームといえばコレというほど定番で、多くのイヤホンの付属品にも採用される人気者。Amazonから拝借しました。

フォームチップの悩み

しかし、イヤーチップもいいところだけではないです。通常のイヤーチップは比較的硬い素材であるシリコンを用いており、耐久性に優れるのが特徴です。一方でフォームはシリコンより柔らかくもろい素材なので、どうしても耐久性は従来品には劣るとされてきました。

また音質にも独特の癖が出ます。密閉性が高まるために低音がブーストされ、引き換えに高音が量感が減ります。そのためイヤホンによってはもごもごした感じの音になってしまうという欠点がありました。これを解決するためにコンプライはアジアンフィットモデルを出したり、ユーザー側では前後逆に装着するという荒業で対応してきました。

ところがやはり柔らかい素材を使っている以上は限界というものがあり、フォームの快適性は認めるが、音質面でシリコンを好むという人も多いです。

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Complyからはたくさんのタイプが出ていますが、やはり音の明瞭度という点ではシリコンに一歩劣ります。画像はComplyのHPより。

フォームタイプの革命児

そんな中、イギリスのCrystalline Audioというメーカーが新たなフォームタイプのイヤーチップをこの世に送るべく立ち上がりました。その新しいフォームチップこそ今回の主役・Crystal Tips(クリスタルチップス)でございます。

特筆すべきは、その素材。フォームチップであることには変わりないのですが、表面に樹脂コーティングを施すことで劇的に耐久性を向上させているようです。私も耐久性の面ではComplyに不満を覚えることもありましたし(なにせComplyは非常に単価が高いのでコスパが悪いのです…)、個人的にはこの表面コーティングのお陰で高音域が失われることがなくなるのではないかと期待していました。

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Durability(耐久性)はCrystal Tipsの最大のセールスポイント。低音ブーストの記述はありますが、高音域の再現性に関する記述はどこにもありませんでした。ちょっと心配…?Crystalline AudioのHPより。

買ってみた。

eイヤホンに行ったときにおいてあったので買ってみました。ほぼ衝動買い。前から気にはなっていたんですが、ヘッドホンパッドを買うついでに一緒に買っちゃいました。6個入りで2300円くらいでしたが、Amazonなどで買うともう少し安く買えます。今回買ったのは、MコアのMサイズです。SHUREなどの人はSコアになりますが、そのほかほとんどのイヤホンはMコアで大丈夫でしょう。サイズはフォームということもあるのでそこまでシビアになることはないでしょうが、普段使っているサイズと同じものが無難と思います。

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イヤホン側から見たチップ。

ちなみに外観をもう少し詳しく見ていきますと、コンプライにあるような差込口の広がりはなく、ただゴム管が中を通っているような感じです。また引っかかりのようなものも全くないので、イヤホンのステム径によっては外れやすいのかもしれません。そういえば耳垢ネットもありませんね。ない方が普通ですが…。

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見た目はComplyのスタンダードタイプみたいな感じ。樹脂コーティングがされているので、見た目は心なしテカテカしています。

触り心地はComplyのそれとあまり変わりません。つぶした感じも低反発で、よくあるフォームという感じ。少し手で温めると見る見るうちに柔らかくなり、装着感はよさそうな感じ。実際に装着してみると違和感は全くなく、しっかりフィットしているのがわかります。

いざ試聴。

今回の試聴の環境は以下の通りにやりました。なおイコライザーを使っているので、同じ環境で再生しても若干音の印象には誤差はあると思います。

  • プレイヤー:Walkman A20 / Xperia Z5 (ともに直挿し)
  • 音楽アプリ:「ミュージック」(純正)
  • 音源:Bohemian Rhapsody / QUEEN (AAC 128kbps)
  • イヤホン:KZ BA10 / KZ ZSN

音質はHPに説明があった通り低音がめちゃくちゃブーストされます。これComplyよりすごいんじゃないか…?ただブーストのされ方もComplyのようなただただ低音がでかいというわけではなくて、一応低音は芯を残しているので下品な音ではないと思います。私はいつもWalkman/XperiaイコライザーにあるバスブースターはMAXにしているんですが、この時ばかりは一番下まで下げました…。圧倒的低音。そして心配な中高音域のほうですが、曇った感じはしませんね。ボーカルが変に埋もれることもなく、高音の煌びやかさはしっかり残してくれています。やっぱりQUEENの曲といったらフレディーの力強い歌声にあると思うのですが、その歌声もかき消されることなくしっかり出ていました。また私はギターソロのチョーキング(グィーンってやつ)が好きなのですが、ここでの伸びもしっかりしていました。BA10 / ZSNはBA搭載機ということで高音の伸びが売りなわけですが、そこがしっかり生きています。

総論

6個入りで2000円前後(1個当たり400円弱)と値段が高いのが惜しいところですが、耐久性の高さがあるのでランニングコストとしてはフォームタイプ随一の高さになるのではないかと期待してしまいます。耐久性に関しては後程しばらく使ってみてのレビューをしてみます。また今まで私はフォームタイプの音質劣化が無視できなく敬遠しがちでしたが、このイヤーチップなら全然メインとして使えると感じました。フォームの一角として少し装着するときに手間がかかりますが、基本的に一回聞き始めたら一時間以上は音楽を聴き続けるので問題ありません。ちょろっと空いた時間に音楽を数分聴く人よりかは、長時間聴きたい人、没頭したいという人におすすめ。シリコンタイプはいろいろ試してここに来てフォームに再挑戦してみましたが、非常にいい買い物ができたと感じています。

 

 

www.crystalline-audio.com