開放より2段絞ったところ

徒然なるままに…主にカメラの事を書いていくことになるかと。

アンプの謎 ~ハイゲインとローゲインの違い~

Image result for ãªã¼ãã£ãª ããªã¼ç´ æ

こんにちは壁紙です。

 

最近FiiOのQ1 Mark IIを買ってポタアンデビューしたんですが、高インピーダンス・低能率のでかいヘッドホンでも大音量で音楽を楽しめるようになりました。

 

さて今回の記事なんですが、題名にもしています通り「ハイゲインとローゲインの使いどころ」です。ポタアンを普段ハイゲイン固定にしているそこのあなたも必見ですよ。

 謎のゲインスイッチ

ポタアンも千差万別なので一概には言えませんが、FiiOのアンプならばだいたいBassブースターのスイッチとGain(ゲイン)の「L」と「H」というスイッチがついています。

LとHは察しのいい方なら「言われなくても分かるわ!!!」という感じかもしれませんが、これがローゲイン・ハイゲインの切替をするスイッチです。

f:id:kabegamikamio:20190115232814j:plain

左に見えるスイッチがゲイン、右がBassブースター

このスイッチを切り替えて何が起こるかというと、簡単にいうと音量が変わるのですね。

例えばローゲインの状態で音量が足りない時、ハイゲインにすることで音量をとれるようになります。これが一番簡単な使い方です。

ゲインの用途

ですが本来このゲインというものは何のためについているのでしょうか。

正直ハイゲインだけあれば音量が足りない自体にも対処できるのでよくないですか?

 

答えはFiiOのQ&Aにありました。

ゲインを「高」に切り替えると入力信号に対する増幅量が増し,音量が増加するので,高インピーダンスまたは低感度ヘッドホンに適する出力になります。 ゲイン「低」は,低インピーダンスおよび高感度イヤホンに適しています。

注意点としては,原則としてボリュームは高めの位置で使用したほうが音質的に有利になります。ですので,例えば音量を大きく取りたいからとゲインを「高」にして,普段使うボリューム位置が大きく絞られるような使い方は,本末転倒となることがあります。使用されるイヤホンの感度やインピーダンスに適したゲイン設定とボリューム位置で使用いただくことを推奨します。

参考:A5 / E12A / E12DIYのゲインスイッチは何をするものですか? – Fiio Japan

ほう…。なんとなくわかるようなわからないような。

 

まずボリュームとゲインの違いを明らかにしながら、「ローゲインいらない疑惑」の真相を解明します。

ゲインとボリューム ~両方「音量」だけど違う「音量」!!!~

ボリュームとゲインは両方とも音量に変化を付けるときに使われますが、両者の大きな違いは入力か出力か、です。

ゲインとは、アンプに入ってくる音量(信号強度)を制御するものです。少し難しい言葉を使いますと入力された信号をどれだけ増幅するかをいじっています。

一方のボリューム、ツマミなどでクリクリっといじる奴は出力の音量を制御します。

 

「ん…?それってやってることおんなじじゃない?」

 

う~ん!違うんです!音量は音量でも、やっている作業は基本的に真逆です。

 

ボリュームのツマミの部品というのは、「可変抵抗器」というものになります。電気系を少しかじったことがある方ならば多分「抵抗」という部品に聞きなじみがあるのではないかと思います。ですが普通抵抗って、抵抗値を変えられないですよね。1Ωなら1Ωだけ、10Ωなら10Ωの抵抗としてだけ使えます。一方の可変抵抗器は名前の通り抵抗値を変えられます。抵抗という部品は電気の流れにくさをコントロールするものなので、原義的には元の音量を小さくするのが仕事です。

一方のゲインはアンプに入ってくる電気信号(波形)の大きさをどれだけ拡大するかをコントロールしています。いわば音量を大きくするのが仕事なわけです。

インピーダンス、能率とゲイン

音響機器ではインピーダンス能率という言葉がよく登場します。それぞれ別の呼び方があってインピーダンスは抵抗とか、能率は音圧感度や音圧レベルなどと呼ばれています。単位はそれぞれΩ[オーム]、dB/mW[デシベル・パー・ミリワット]です。インピーダンスが高いと音量がとりづらく、逆に能率が高いと音量がとりやすいです。

インピーダンス・高能率や低インピーダンス・低能率というようなややこしい例は抜きとして、例えばインピーダンス・低能率のイヤホン・ヘッドホンでは音量がとりづらくスマホなどでは十分な音が出ないこともあります。一方インピーダンス・高能率のイヤホンは少ない電気信号でも敏感に反応して音を出してくれますのでポタアンなどの追加装備はあまり必要ありません。

ここでもう一回FiiOの回答を見てみましょう。

ゲインを「高」に切り替えると入力信号に対する増幅量が増し,音量が増加するので,インピーダンスまたは低感度ヘッドホンに適する出力になります。 ゲイン「低」は,インピーダンスおよび高感度イヤホンに適しています。

(一部略)

参考:A5 / E12A / E12DIYのゲインスイッチは何をするものですか? – Fiio Japan

 太字で示したように、インピーダンス・低能率の場合はハイゲインでたっぷり出力を供給する必要が、逆に低インピーダンス・高能率の場合はローゲインでも十分な出力が得られるわけです。

ローゲインの意味

ここまで話したように、イヤホン・ヘッドホンによってはハイゲインを使う必要がありません。ですが使ったってもちろんいいわけです。これでは例の疑惑は解消され切っていません。ここでまたFiiOさんに出てもらいましょう。

注意点としては,原則としてボリュームは高めの位置で使用したほうが音質的に有利になります。ですので,例えば音量を大きく取りたいからとゲインを「高」にして,普段使うボリューム位置が大きく絞られるような使い方は,本末転倒となることがあります。使用されるイヤホンの感度やインピーダンスに適したゲイン設定とボリューム位置で使用いただくことを推奨します。

参考:A5 / E12A / E12DIYのゲインスイッチは何をするものですか? – Fiio Japan

 ほう、ボリュームは大き目で使う方がいいと。ボリュームを下げて抵抗をかけて元の信号を小さくするより、できるだけアンプから出てくるままの状態で聴いた方が音質的に有利ということでしょうか。まあせっかくアンプできれいな信号を出しているのですから、できるものなら抵抗なんてかけて小さくしたくはないわけです。

またこれは楽器の話にも関係しますが、ギターやベースのアンプにもゲインがあります。こちらのゲインも入力信号を大きくするという意味では通じるのですが、楽器のアンプの場合ゆがみをコントロールすることに大きな意味があります。ゆがみというのはエレキギターの「ジャリジャリ」または「グヮヮヮヮヮン」というような迫力のあるサウンドのことです。このゆがみはオーディオ向けのアンプでもやはり発生するもので、楽器用とは打って変わって音質を低下させてしまいます。ゲインを上げるということは、ノイズや音源の元のゆがみも増幅させることになるので、音質的にはローゲインで聴いた方が「お得」なわけです。

f:id:kabegamikamio:20190115232935p:plain

例としてヤマハギターアンプ。ツマミが並んでいますが、左からゲイン、ボリュームとなっています。

引用元:Amazon CAPTCHA

結論

先ほども述べました通り、アンプの性質的にはゲインは低い方が音質面で有利なようです。ただしこれはあくまでも「理論上は」という注意書きがつきます。アンプによってはハイゲインとローゲインで音の質が変わるものもあるようですし、ポタアンという出力が小さいアンプに限って言えば特にこだわる必要もないみたいです。ただオーディオや音楽というのはそういった理論面の裏付けがかなり有効なケースも多いですし、騙されたと思って比較してみるのも面白いかもしれません。私のほうでも何か発見したら記事にしようと思います。