開放より2段絞ったところ

徒然なるままに…主にカメラの事を書いていくことになるかと。

カヴェコ スペシャル ブラス

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 こんにちは、壁紙です。

 今回は念願かなってカヴェコスペシャルのブラスを購入できたので、そのレビューをしていきます!

カヴェコとは…

 カヴェコは1883年にドイツで創業しました。セーフティー万年筆といわれる、インク漏れを防ぐ構造の万年筆を世に送り出しています。しかしカヴェコの業績といえばなんといってもカヴェコスポーツの発売です。1930年代に発表され、1972年のミュンヘン五輪では大会公式のペンとなるほどの名機です。

 そんなカヴェコですが、実は1976年に一度会社をたたんでしまいました。現在は復刻を果たし、グットバレット社のブランドとして販売されています。

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カヴェコの代表作・スポーツ。寸胴なボディで携帯性がよく、現在でもファンは多い。

カヴェコ・スペシャ

 オリジナルのカヴェコ・スペシャルは、もともと事務用のシャープペンとして製造されました。発売時期は不明ですが、1920年代にはすでに販売されていたようです。このころのスペシャルは軸にエボナイト(のちにセルロイド)を用いた樹脂軸で、芯繰り出し方式もツイスト式です。

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発見できた唯一のスペシャルの画像。

 現在のスペシャルは復刻盤ということで、当時のデザインを現在の技術に落とし込んだものです。軸はアルミニウムにとってかわられ、繰り出し方式もノック式になりました。受け継がれたクラシカルな容貌は、文具マニアを中心に今でも人気を博しています。

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スペシャルとスペシャルS

 2019年4月現在、スペシャルには「スペシャル」「スペシャルS」と、今回レビューする「スペシャル・ブラス」がラインナップされています。スペシャルとスペシャルSではアルミ軸を採用していたのに対して、ブラスは名前の通り真鍮(しんちゅう)を取り入れているのがポイントで、使用とともにくすみがかっていき重厚感が増します。

ブラス、使用開始。

 到着直後の撮影を忘れてしまったため、例にもよって画像はペンハウスさんからお借りしました。購入前の保管状況にもよるかもしれませんが、基本的に購入時は光沢があっていやらしいくらいピカピカしています。カヴェコの缶ケース型パッケージを開いたときのいでたちといえばさながら金塊のようです。

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これでもかというくらい、金です。使用開始から数日はピッカピカの状態が続きます。

 スペシャルを買う前だったので、どれくらい重さの違いがあるかは到着時はわかりませんでしたが、実際測ってみるとスペシャルが20g前半でブラスが30g超と10gほどの差があります。一般的に重めといわれるペンでさえ25gを超えることはあまりないので、ブラスの重量感は半端じゃないです。したがってスペシャルのような「ザ・スタンダード」なペンではなく、使用者には芯を変えたり、持ち方を変えるなど一工夫求められるかもしれません。

 アマゾンのレビューなどを見て「作りがザツ」などという声がまあまあ見られたので心配していましたが、実際届いたものを見てみるとそのような印象はあまり受けませんでした。キャップ部には金属軸特有の筆記時のカタカタ音を低減するためのゴムリング(これがついてるシャーペンはほかにはプロユース1500くらいです)がついており、口金ネジ部にも緩み防止用のゴムリングが施されているこだわりよう。バリはもちろん削りが荒い部分も見えませんし、かなり丁寧に作りこまれていると思います。ちなみに芯タンクだけはプラスチック製ですが、分解してみると内部ユニットはプラチナ万年筆製であることがわかります。ドイツのメーカーはラミー以外はみんなプラチナに作らせているようですね。プラチナの内部メカ、特にチャック部分は堅牢なつくりであるため信頼性は高いシャーペンと言えそうですね。(Germanyとはこれいかに…

 さてさて皆さん気になるところは経年変化であることと存じますが、百聞は一見に如かず…気になる方は下の画像をご覧いただければ幸いです。

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使用開始から二週間ほどたったブラス。全体的に光沢が減りくすみがかかってきました。いわゆる「使用感」ってやつですね。

 好き嫌いは別れるところかもしれませんが、使用とともに純金のような光沢は失われていき、独特のくすみが乗ってきます。くすみ自体は使い始めたその日から出てきますが、さらに使い込むと少し黒ずんできます。特に指と接触する機会が多いペン軸の先端側は周りと比べても色が濃く見えます。真鍮の調度品などでよく目にする変色の仕方ですね。

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旧貨幣の5円玉。こちらは黄銅(真鍮と同じ亜鉛と銅の合金)でできていますが、いい感じに参加しています

まとめ

 見た目、重さ、そして価格…今までこれほどに賛否両論となるシャーペンはなかったかもしれません…。しかし作りこみはしっかりされており、真鍮の使用感が好きな人や重いシャーペンが好きな人は確実に満足できるでしょう。