Linuxでもトラックパッドのジェスチャーを活用する
こんにちは、壁紙です。
よもや恒例とも言っていいほどの連載間隔ですが、今回もLinux(Ubuntu)を使いやすくするためのライフハックをご紹介します。
今回は表題の通り、トラックパッドのジェスチャー操作をUbuntuでも高度に利用できるようにする試みです。
2020/5/29 apt-getになってたのでaptに変更しました
Linuxはタッチパッドに弱い
誕生から長い月日が流れ、Linuxやその周辺ライブラリ等は進化してきました。おかげで今ではLinuxをWindowsやMacのように普段使い出来るまでになりました。
ただLinuxユーザーがどちらかというと少数派になることは否めず、便利な機能はWindowsやMacといったメジャーなOSに優先的に供給されるのが現状です。
実はラップトップには必ずと行っていいほどついているトラックパッドもLinuxにとっては鬼門なのです。もちろんカーソル操作やスクロール操作くらいはできます。しかし今や当たり前であるズーム機能や進む・戻る機能などなど、WindowsやMacでは標準装備の機能がLinuxにはありません。
諦めるしか無いのか?
OneNoteのときはそうでしたが、最終的には「妥協」することでゴールしました。やはり公式のツールが無い以上はどこかで「妥協」することは仕方ないのでしょうか?
明確な解答はありませんが、公式ツールがないとはいえ、有志がクオリティの高い拡張機能を開発してくれていることは確かです。今回もあるネット有志が制作した設定を使わせていただきました。但し書きを見ると「常にうまく動くわけじゃないよ」などの旨書いてありますが十二分なパフォーマンスです。
導入
必要なもの
libinput-tools
タッチパッド関連の拡張機能は基本的に「libinput」をベースとしています。今回askubuntuに掲載された方法もlibinputの構成ファイルをいじることでジェスチャ操作を可能にしています。
xdotool
こちらは「コマンドからウィンドウを操作する」ツールです。ウィンドウサイズを変えたり、場所を移動したりできるツールです。デーモンが受け取った操作情報を実際のウィンドウに反映させる役割を担っています。
手順
まず自分のアカウントを入力グループに追加します。
$ sudo gpasswd -a $USER input
このコマンドを実行し終わったら一度PCを再起動してください。
次にlibinputをインストールします。
$ sudo apt install libinput-tools
Rubyが未導入ならインストールしてください。
$ sudo apt install ruby
続いてFusumaを入れます。
$ sudo gem install fusuma
xdotoolは任意で。
$ sudo apt install xdotool
導入は完了ですが、GNOMEに操作が送られているかどうか確認します。
$ gsettings set org.gnome.desktop.peripherals.touchpad send-events enabled
ジェスチャーを決める
続いてジェスチャーを定義するファイルを作ります。端末から、
$ cd ~/.config $ mkdir fusuma $ cd fusuma $ touch config.yml $ nano config.yml
nanoエディタを呼び出し、YMLの中を書き換えます。コピペでいいそうです。
swipe: 3: left: command: 'xdotool key alt+Right' right: command: 'xdotool key alt+Left' up: command: 'xdotool key super' down: command: 'xdotool key super' 4: left: command: 'xdotool key ctrl+alt+Down' right: command: 'xdotool key ctrl+alt+Up' up: command: 'xdotool key ctrl+alt+Down' down: command: 'xdotool key ctrl+alt+Up' pinch: in: command: 'xdotool key ctrl+plus' out: command: 'xdotool key ctrl+minus' threshold: swipe: 0.4 pinch: 0.4 interval: swipe: 0.8 pinch: 0.1
使うときは管理者権限でfusumaを呼びます(管理者じゃないとうまく行かないっぽいです)
※製作者様のサイトではsudoは使われていません。正しい方法を模索中。
$ sudo fusuma
最後は「自動起動するアプリ」にfusumaを追加します。まずfusumaをインストールした場所を確認します。
$ which fusuma
アプリメニューかコマンドにて「自動起動するアプリ」を開きます。コマンドの場合は下です
$ gnome-session-properties
ここで開いた画面で、コマンドに先程のパスを入力します。パスの終わりに「-d」をつけるので、入力するのは
(fusumaのパス) -d 例、 /usr/local/bin/fusuma -d
とします。名前や説明は任意ですのでなくても問題ありません。
これで完成。
パラメータをいじったりすれば自分好みに更に近づけられますね。
まとめ
今回特にターミナルを使う作業が多かったのですが、使いこなせるようになりたいですね。最近ようやくapt-getに慣れてきました。レポジトリ、ライブラリ、色々勉強してみようと思います。