星空撮影のメモ【2018/7/17】
こんにちは、壁紙です。
今回もいつものように星空の撮影をしていきます。
EOS Kiss X7i + YN35mm F2, SS: 30s, F2.0, ISO200
今回はレンズを35mm単焦点にしてみました。さらに絞りを開放して、ISOを一段下げました。これにより今までの写真よりシャープな写真に仕上がるのではないかと思います。
ISO一段下げたにもかかわらず、めちゃくちゃ明るいですね…。F3.5で撮った時は結構暗かった印象がありますが…。
だいぶ明るくなっているので完成作品が気になるところ…。
Photoshopにて比較明合成。透明度の調整。
なんかあり得ないくらい明るくなってしまいました。特に下半分が異様に明るい…。単焦点だと明るすぎるんですかね…。
軌跡の感じは最高にいいですね。時間を長くすればするほど軌跡も長くなるし、密度が上がります。
今回も3枚だけ飛行機の映り込みがありましたが、前回と同様に黒ペンできれいに消しました。飛行機の航跡を黒ペン消ししたときの写真の変化も長時間でやった方が少ないのかなという印象があります。単に密度高いだけかもしれませんが、確実に目立たなくなります。
カラーバランスを変えて青みを入れました。
画面下が明るすぎるのは変わらず、なんか変な感じ。
明るさを落としまくりました。
これはこれであり。
明るさ落として、コントラストいじってカラーバランス変えてやっといい感じに。
ただ色むらみたいになって個人的には100%の満足度ではないです…。
まとめ
単焦点で撮った写真がこんなに明るいとは意外でしたね。ていうか明るすぎ…。比較明合成で写真を撮るときは露出アンダーで撮った方がいいのかもしれません。
次回は露出アンダーに挑戦してみます。
星空撮影のメモ【2018/7/16】
こんにちは、壁紙です。
平日は出かける時間もないので、夜に星空にレンズ向けて一人でにやにや感傷に浸っているわけですが、今回も星空撮影の記録をしていきます。
EOS Kiss X7i + SIGMA 18-200mm F3.5-6.3 DC, 30s, F3.5, ISO400
さてテスト撮影はこうなりました。
この「30秒、開放、ISO400」って私的にはだいたい黄金設定的な感じがありますね…。まあこの写真も一枚として扱うならばちょっと暗すぎますが、比較明合成に使うならこの程度で問題ありません。むしろグルグルするときに星以外が明るすぎても癪なので。
また今回が方位磁針アプリを使って南をとってみました。多分今まで目測(勘)とGoogleマップでやっていたので、はるかに正確かとは思います。
比較明合成をしたものがこちら。
撮影諸元同じ。約1時間半計169枚の写真をPhotoshopにて比較明合成。
今回は1時間半の撮影時間を撮りました。30分違うだけでも軌跡に与える影響は侮れません。
方位磁針の効果もてきめんですね。方位磁針がなければこういったアプリをインストールしておいて間違えはないですね。
ところで何か星ではなさそうな何かが混じってますね…
これ、実は飛行機の航跡です。点線になっている部分は飛行機の識別灯が点滅するためです。
これはこれでキレイではありますが…さすがに量が多すぎるのと、星という本来のテーマからは外れているためボツです。
長時間撮っているとこういうこともよくあります。
これは飛行機の軌跡ですね。ほかにも6枚くらい入ってました。
昨日おとといは写って無かったので、ちょっと驚きました。多分月曜日だったのがあれなのかな…?
まあ比較明合成の写真なら簡単に修正できます。その軌跡が記録されているレイヤーを選択して、黒ペンツールで軌跡を塗りつぶせば簡単に治せますよ。比較明合成ってのは要するに他の写真と「比較」して、「明」るいところだけ「合成」するものなので。
直したものがこちら。
撮影諸元同じ。Photoshopにて比較明合成。各レイヤー透明度の調整。
ちょっとほかのところもいじったりしましたが、こんな感じ。見事に消えたでしょ?
飛行機ばっかは割とどこで撮ってても写りそうですし、編集で消してしまうのは致し方ないのではないかと私は思います…。実際自分の写真に飛行機の航跡写ってたらすごくがっかりしませんか?
色も今回は元の色で出しています。灰色背景ってのも意外と悪くないですね。
それでちょっといじったところっていうのが、透明度の調整です。星空の比較明合成写真界隈では結構一般的なテクニックかと思います。
前者が今回の写真で後者は前日の写真です。
今回の写真のほうがどことなく「星が流れる感じ」がしませんか?
こんな感じにレイヤーごとの透明度を変えてあげると、流れるような軌跡が作れます。
あ、作るって言っちゃった…撮るじゃなくて…
この作業を一括でやる方法はどうやらないようで、レイヤー一個づつ透明度の変更をしていくことになります。これがなんだかんだ比較明合成をする上で一番時間食うし面倒くさいパートですが、確実に完成度には寄与します。私も毎回はやりませんがね…。
まとめ
全般的に満足度は高い撮影でした。過去3日間の反省を取り入れるだけでもだいぶ写真の出来栄えは変わりました。
また新たなツールの検証も成功したようで、ほっとしています。
次回以降はISOなどの設定に手を加えてみようかなと思います。
YONGNUO YN50mm F1.8 の考察
こんにちは、壁紙です。
YONGNUO YN50mm F1.8を購入してから早半年以上がたちました。
Amazonで6000円を切る破格の安さですが、このレンズの性能は果たしてどうなのでしょうか。
外観・操作性
まず外観に関しては安物の風格が漂います。
マウント部を含め総プラスチック製で、Amazonのレビューではマウント部が壊れたというレビューもありました。そこに関してはちょっと前のキットレンズもそうだったので、特段悪いと思うところはありませんが、後玉のキャップが時々緩すぎてハマらない時があるのはちょっと面倒です。多分度重なる使用でキャップをホールドする部分が摩耗してしまったのではないかと思います。プラスチック製であるのは悪いことだけではなくて、カメラに装着したときに軽くて取り回しがしやすい、重心が変なところに行かないなどのとってつけたようなメリットがあります。
鏡胴もグラグラしていて、AFを動かすと鏡胴が動いているのがファインダー見ていてもわかります。ただ実際にシャッター切るときには問題はないようです。
フォーカス関係でいうと、AFは遅くて精度も悪いです(※特に精度に関しては本体の性能もあるので何とも言えませんが)。まあ開放値1.8ではのちに触れる描写性能もあって合焦させるのも難しいのかもしれません。MFリングは操作しにくいということはありません。至って普通です。
描写
まず大きな目玉はF1.8という開放値の明るさ。これはキャノン純正の50mmレンズに匹敵します。APS-Cに装着した場合は実質焦点距離は85mmと中望遠になることもあり、ボケはかなり利きます。また暗いところでの撮影にも開放値の明るさは貢献しますね。
描写の特徴ですが、色味はキャノン純正に近いのかなと思います。いわゆる寒色系のシグマとは違って温かみのある色が出やすい印象があります。コントラストも順光であればくっきり出てきます。寒色系の色を出しての撮影はあまり試したことがありませんが、手持ちのシグマレンズよりは弱いかな…。
開放付近での絵の締まりは正直悪いです。3~4段絞っていい感じにかっちりするかなってくらい。F2.8とかF2.5とかそれくらいでしょうか。F2.8程度ならまだ十分ボケも楽しめるし、被写体の締まりもある程度は求められるので私はよく絞り優先でF2.8あたりにしています。
背景のボケは割とヘリオスのレンズに近いのかなと思います。そう、オールドレンズのヘリオスね。いわゆるグルグルボケっていうやつ。ヘリオスほど主張は強くありませんが、おとなしくボケるタイプでもないです。これは多分好みがあると思います。玉ボケの形は開放付近だとラグビー型だかレモン型だか楕円形だかになります。要は丸くない。
周辺減光などはAPS-Cで使っている分にはあまりわかりませんが…フルサイズだと多分わかる程度にすると思います。やはり開放付近で露出下げると、減光してるかな?って感じはあったりします。収差などはあまり目立たないです。
作例
SS:1/800秒、絞り:F2.8、ISO:100
カメラ:EOS Kiss X7i
SS:1/800秒、絞り:F1.8、ISO:100
カメラ:EOS Kiss X7i
SS:1/1000秒、絞り:F8.0、ISO:100
カメラ:EOS Kiss X7i
SS:1/4000秒、絞り:F1.8、ISO:100
カメラ:EOS Kiss X7i
SS:1/400秒、絞り:F2.0、ISO:100
カメラ:EOS Kiss X7i
SS:1/80秒、絞り:1.8、ISO:320
カメラ:EOS Kiss X7i
SS:1/640秒、絞り:F1.8(開放)、ISO:100
カメラ:EOS Kiss X7i
SS:1/800秒、絞り:F4、ISO:100
カメラ:EOS Kiss X7i
SS:1/125秒、絞り:F10、ISO:400
カメラ:EOS Kiss X7i
星空撮影のメモ【2018/7/15】
こんにちは、壁紙です。
13日14日に引き続いて今回も星空撮影に挑戦です。
前回の写真を覚えている方…
挑戦が多かった二日でした…。
特に三枚目ですが、もう少し露光を長くして筋がこうびゅーっとなっている方が格好がよさそうです。
前回が30分なら今回は1時間です。
ついでに南の方角も確認しました。
まずはテスト撮影の写真から。
カメラ:EOS Kiss X7i、レンズ:SIGMA 18-200mm F3.5-6.3 DC、焦点距離:18mm、SS:30秒、絞り:F3.5、ISO:400
今回は全く編集なし、いわゆる撮ってだしのRAWです。
Lightroomで出してるので多分AdobeカラーがかかってCanon色よりは彩度が低いですが、夜の空なんてグレーなんでだいたいこんなもんです。
過去二日の反省から、露光も2倍に伸ばしています。なので無編集ですが、しっかり明るく撮れていて、星も見えます。
ちょっと残念なのは、下の方が明るくなってしまっていること…。北向きで撮る分には何もない森に向かってシャッターを切るのでいいのですが、南の方角にはシティがある上、すぐそばに街灯があったせいでかなり明るくなってしまいました。
続いて比較明合成の写真。
撮影諸元〃。Photoshopにて比較明合成ののちにカラーバランスと露出の微調整。
うーん、結構いい感じかな?
回転軸の周辺が少し寂しいですが…昨日の反省点からは進歩があったといっていいでしょう。
まとめ
改めて星空の軌跡写真は難しいなと思います。
結構長い時間撮らないと、特に広角で撮った時に寂しさが残ります。
また方角の調整はかなり大事だなと感じます。この写真ではだいたい南が取れていますが、方位磁石などがないと厳密に方角がわからず、星を探したりする上では少し難儀します。方位がわかるアプリもあるでしょうし、どこまで有用かはわかりませんが、試してみる価値はあると思います。
星空撮影のメモ【2018年7月13・14日】
こんにちは、壁紙です。
いつもはスナップ写真とかばっか撮ってる私ですが、星を見るのも好きです。
若干近眼気味であんまり見えないんですがね
今回は備忘録がてら写真の自己評価をしていきます。
2018年7月13日
天気は晴れ、気温は15度下回り、とても寒い夜でした。
新しい三脚のテストがてら、北向きにカメラを向けて写真を撮ります。
カメラ:EOS Kiss X7i、レンズ:YN50mm、SS:15秒、絞り:F2.5、ISO:400、WB:蛍光灯
ちょっと暗いですね…。現場でファインダー/ライブビュー見てるときと後で室内で写真を見返した時の写真の明るさの違いの差が結構あるんですね。
ヤシの木はわざと入れてみました。
撮影諸元は同じ。
Photoshopにて約30分間107枚の写真の比較明合成とカラーバランス編集。
悪くはありませんが、途中で電灯に照らされてヤシの木の一部が明るくなってしまいました。
まあ編集で隠せるんですがね…。
光跡がより長ければもっときれいな写真になったかも。
もう一枚、別の構図で。
カメラ:EOS Kiss X7i、レンズ:YN35mm、絞り:F2.5、SS:15秒、ISO:400、WB:蛍光灯
うすうすわかってはいましたが、さすがに暗すぎますね。
私の滞在先は住宅街のど真ん中で、明かりは結構少ないので、露出は20秒はないと何も見えません。
まあRAWで撮ったので後で編集しやすいのが助かります。
やっぱり星空撮影はRAW撮影が基本かなと思います。
撮影諸元同じ。Photoshopにて約30分間108枚で撮った写真を比較明合成した後に露出・カラーバランスを調整。
比較明合成で写真を合成した後に編集をしましたが、 それでもくらいです。
まあ明るくはできますが、そうするとヤシの木が浮き出てきて変になります。
ヤシの木はシルエットで出てるくらいがちょうどいいと思うので、これ以上は露出を上げませんでした。
7月13日まとめ
一時間、二回に分けての撮影でしたが、露出の調整が甘かったなと後で見ると思います。
今回は構図にこだわりたかったので、まあ良しとしますが、次回以降は改善したいポイント。
2018年7月14日
さて昨日に引き続いての撮影です。
カメラ:EOS Kiss X7i、レンズ:SIGMA 18-200mm F3.5-6.3 DC、焦点距離:18mm、SS:10秒、絞り:F3.5、ISO:400
はい、真っ暗です。
先日のSS10秒でも暗かったのに、10秒で何も見えなくなるのはもはや自明の理。
軌道写真が撮りたいときに特にSSが短いことのメリットはないですね。
星の動きをピッタリ止めて撮りたいときは10秒以下とかじゃないと星が動いて線になってしまいます。
撮影諸元同じ。Photoshopにて比較明合成と露出、カラーバランスの編集。
まあこれくらい真っ暗でもRAWで撮ってれば後で編集が利くよってことの例にはピッタリですが。
実は今回場所を変えていて、前回は北向きにとっていたのを南向きに変えました。
というのもここは南半球なので、グルグル写真が撮れるのは南向きだったんですね。
日本語で調べてると、日本は北半球の国なので意外な落とし穴です。
カメラ:EOS Kiss X7i、レンズ:SIGMA 18-200mm F3.5-6.3 DG、焦点距離:59mm、SS:20秒、ISO:400
※Lightroomで露出編集。
ヤシの木と南十字星。
ヤシの木大好き。
撮影諸元同じ。WBをLightroomにて編集。
先ほどの写真と同じ構図の別ショット。
WBをカメラ設定の「蛍光灯」などと同じように青めにしました。
星空の本当の色は灰色ですが、WBを変えただけでここまで見た目は変わるものです…。
カメラ:EOS Kiss X7i、レンズ: SIGMA 18-200mm F3.5-6.3、焦点距離:59mm、SS:10秒、絞り:F3.5、ISO:400
※LightroomにてWBと露出の調整済み
南十字星って星座の中では一番小さいらしいですが、ちゃんと見えます。
あまり明るくないので最初は探すのが大変でしたが、ポインターという二つの星を見つけることができると簡単に探せます。
こんな感じでポインターという比較的明るい星が連続して並んでいて、そのだいたい延長線上に四個いい感じに並んでいる星があればそれがSouthern Cross、南十字星です。
別にきれいとかはありませんが…天体写真初心者としては見つけられるだけでもうれしいです。
7月13日まとめ
先日に引き続き暗い写真が続きましたが、例のぐるぐる写真にチャレンジできたのは大きいかなと思います。
次回は南をもう少し正確にとることでもっとぐるぐるしたいと思います。
総評
三脚のテストも兼ねての撮影でしたが、得られたものはそれなりに大きいと思います。
設定の面ですとか、後編集の面ですとか、カメラの扱いに関しても学ぶものがありました。
特に最近は30分もカメラを外に出していると露がつくので、撮影前後のカメラの扱いは重要だなと感じました。
三脚の使用感に関してはまた別記事で言及したいと思います。
私の撮りたい写真とは。【3/4】
こんにちは、壁紙です。
前回に引き続き、今回も「私の撮りたい写真とは。」というテーマで語っていきます。
苦悩
マイナーなジャンル
私はお金はもらってるわけではないし当然アマチュアで活動しているわけなんですが、普通アマチュア写真家の人たちってどんな写真を撮っているんでしょうか。風景とか、ポートレートとか、スポーツとか、動物とか…。誰かの生活や人生について焦点を当てた作品を撮る人って、あんまりいないと思います。実際そういうように作られたカメラやレンズってみないでしょ?「スナップ専用」っていうものは。一昔前、フィルムが一般的でライカが一世を風靡していたころは写真というとスナップ写真がほとんどのように思われます。戦場写真もある意味スナップかもしれません。
そういった意味では私の求める写真っていうのは非常にマイナーなものであると言っていいと思います。「こういう写真が撮りたいんだよねえ」といってもそうそう「実は俺もなんだよ」なんて言ってくれる人はいません。
別に寂しいとかそういうことを言っているわけではありません。写真を撮るときは被写体・自分・カメラとの会話になるわけですから、結局シャッターを押す瞬間は一人なわけで。問題はライバルがいないということ。仲間と言った方があるいはいいのかもしれません。同じジャンルでお互いの写真を評しあう仲間がいないわけです。そうなると新たな価値観に気づいたり、いいところを盗むということもなかなかできないわけです。
報道写真…?
私の撮りたい写真っていうのはある意味報道写真に近いのかもしれません。どこで何があって、誰がどういう状況なのか。もちろんきれいな風景も撮りたいですし、大自然の中で動物を見つめるのも嫌いじゃありません。ですが、せっかくカメラという自分の見ている世界を語れる道具があるならばその世界を表現したいと切に思うわけです。
これは一種ジャーナリズムなんでしょうかね。自分ではよくわかりませんが…。
私とカメラと「ひと」と。
私とカメラ
私が写真好き、あるいはカメラ好きなのは、正直に言って「孤独でいることを正当化できるから」です。カメラを持っているときは輪の中から外れることも許されるし、誰もそれが変なことだとは思いません。私は別にコミュ障ではありませんが、人とコミュニケーションをとるということに苦手意識があります。被写体・カメラ・自分との会話は時間を深めれば深めるほど「写真の出来」という目に見える形でわかりますし、その点目に見えない「絆」とかそういったもので対価が支払われる人間関係と違って気楽なところがあるわけです。
カメラと「ひと」
人間っていうのはカメラにものすごく敏感に反応しますよね。ある人はカメラを向けられるとポーズを取ったり、ある人はそっぽを向いたり。みんな何かしらの反応を見せますよね。この反応の仕方も十人十色。カメラは決して喋りませんが、シャッター音は人にあたかも「声を掛けられた」ときのような反応をさせます。
私と「ひと」
先述のとおり、私はコミュニケーションに関しては控えめ…というか正直苦手です。特に初対面の人には…。いい年してまだ人見知りをしています。人見知りして、話しかけられないで、後々「あの時話しかけていたらどうなったかな…」と苦汁をなめることは今まで何回となくありました。多分私は「言葉」というツールはまだ使いこなせていないのでしょう。
私とカメラと「ひと」
ここまでの項目を整理する形になりますが、カメラを持っているだけでも持っていない時よりコミュニケーションが生まれやすい。「撮った写真見せて!」とか人によっては「どんなレンズ使ってるの?」などと聞いてくることもあります。ほんの些細なことですが、こういうやりとりがあるだけでも私は認められているという安心感を得ることができます。これは一つ、写真を本格的にやり始めた理由のひとつです。
自分の世界へ
描写から表現へ
今までの私の写真はなんていうんでしょうね…受け身であることが多かったような気がします。なんだかんだ自分の世界を表現するようなものではなく、その場をいかに美しく描写するかがすべてでした。この差は結構大きなものになると思います。撮る側としてはどれだけの思いを込めたかが変わることで写真に対する思い入れは変わるでしょうし、その思いは少なからず見る側にも伝わるのではないでしょうか。
私自身、割と自在に描写できるようにはなりましたが…きっとまだ足りないですね。それゆえ表現の世界も広がらないのでしょうか…。
描写の世界にはある程度の正解があります。鳥の羽毛をぼかしてパステル画みたいにしてしまっては被写体の良さをかき消してしまうし、色とりどりな花々をモノクロで撮るってのも考えものですよね。目の前に広がる地平線をわざわざ斜めに撮る人も相違ないでしょうし、集合写真でひとりにズームアップする人はまずいません。こういった感じに描写をする = 誰が見てもキレイだと思える写真を撮る時には一定のルールが存在します。
表現の世界は逆に正解はないでしょう。「混沌」を絞って撮るのは割とタブーだったりしますが…その「混沌」を表現したいならそれは正解です。それが世界観であるならば天地逆転すら正解になります。要はその人はどういう風にものを見ているか。これは単なる記録の範疇の「写真」ではなくて、芸術の域に達するものではないでしょうか?
芸術とインスタ映え
ですが実際にこういう風に写真を撮る人はあまり多くありません。それはなぜか。答えはインスタ映えという言葉の中に見出せます。
ところで…この記事を読んでくださっているあなた、インスタやってますか?世間がどんなものをよしとするかよくわかるので投稿しないとしてもきっと面白いですよ。んで…インスタ映えというのはそのインスタグラムで高い評価を受ける/受けやすい写真のことをことをいいます。これがまた面白くてですね…。インスタ映えには一定のルールがあります。
- 1:1のアスペクト比である
- 左右対称の構図である
- 遠近感(パース)が小さい
- 暖色系の色が多い
主にこの四つを満たしている写真が多いのではないでしょうか。1番に関してはインスタの写真投稿をする際は基本的に1:1に制約されるということもありますが、TwitterやFacebookに投稿されている写真と大きく違うのはほとんどの写真が1番のように1:1のスクエアであること。それに影響されて構図は日の丸構図など左右対称のものが多くなります。また遠近感は小さくされる傾向にあります。これもスクエアであるが故の影響ですね。そして暖色系。インスタはどちらかというと女の子に人気があるSNSであるため、暖色系でゆるっとした雰囲気がある方がモテる印象があります。
つらつらと書きましたが、インスタ映えという一種の写真の評価にはルールがあるということ。逆に言えばこのルールに従っていればある程度「いい写真」が撮れるわけです。これはインスタユーザーの間にはあらかじめ「こういう写真がいい写真(インスタ映え)」という共通認識が根底にあり、それを満たすものがインスタ映えとして評価されるわけです。別に構図や被写体にもの珍しさは特段必要ありません。これは一種描写の域にいる写真です。「可愛い」といわれる写真であれば、その可愛さを描写しているわけです。
芸術の域
一方、芸術は少し違います。確かに人々の間には「芸術に対して求める基準」があるのでしょうが、世間の意見にこたえるのが芸術ではないと思います。個人個人の世界観を何かしらの手段を用いて表現するのが芸術です。写真も人の見るものをうつしとるわけですから、芸術の手段としては合格点です。
ですが、写真を芸術として確立するのは非常に厳しいと思います。絵画や音楽が色彩や音色を生み出すのとは違って、写真はすでに現実に存在するものを使って自分を表現します。すでに現実にあるということは、他の人も同じところで同じような写真を撮った可能性はあるということになります…。また自分を表現した写真が必ずしも世間に評価されるとは限りません。なぜなら世間にはすでに「いい写真」のルールが存在するからです。これはほかの芸術分野でも同じ境遇かもしれません。
【次の記事に続く】
私の撮りたい写真とは。【2/4】
こんにちは、壁紙です。
今回は4部構成の第2部ということで、前回の続きから。
写真を「遊び」から「趣味」へ
転換期
今までは遊びの側面が強かった写真撮影ですが、ある時を機に趣味へシフトチェンジさせていきました。それが鉄道、いわゆる撮り鉄というやつ。
具体的にいつが最初だったかはあまり覚えていませんが…。ちょうど京王5000系が走り始めたころ、つまり2017年の暮れかと思います。今まで動きものは撮ったことがありませんし、鉄道の知識自体あまりありませんでしたが、とりあえず撮るのが楽しくてよく出かけていました。
鉄道写真って思ったより難しいんです。構図に気を付けないと味気ない写真になってしまいます。被写体は特別なものではなく、あくまで日常目にする鉄道車両(まあもちろん蒸気機関車などは日常目にするものではありませんが)。ですのでいかに日常を美しく切り取るかっていうところが鉄道写真の醍醐味であったりします。
この鉄道写真の(あまり長くはありませんでしたが)経験が今日の「写真哲学」を形作っているのだと思います。ベストは撮れないだろうけど、オンリーが撮りたい。その気持ちが非常に強いのです。
意識の変化
それまでの写真は建物や景色が中心の写真ばかりで、その中に人物が入ることはほとんどありませんでした。むしろ人が写ることを避けて写真を撮っていたような気がします。
カメラについて知識を深め、沢山の写真を撮っているうちに今までより素早く自分の撮りたいものを忠実に撮ることができるようになりました。そうすると今までは避けていたあ「人物写真」というジャンルすら自分の視野に入ってくるわけです。
単焦点との出会い
単焦点については別記事で詳しく話したいと思うのですが…。それでも多分長くなりますw。私自身単焦点大好きなので…。
これまでの私は10年来使ってきたSIGMA 18-200mm F3.5-6.3 DCを使っていました。広角から望遠まで幅広くこなせる便利な一本です。しかしレンズとしては比較的暗い部類です。ワイド端の開放ではF3.5とそこそこ明るいですが、そもそもワイド端自体使うことってそこまで多くありませんし、一番よく使う標準~中望遠ではFが4~5.6くらいまで落ち込むので「のっぺりした写真」になりやすい。もっと特徴的な写真を撮りたい。もっとボケを利かした写真を撮りたい。そうして出会ったのが単焦点レンズというものでした。
一番最初の単焦点はYONGNUO YN50mm F1.8というものでした。はい、格安中華レンズです。私のカメラはEOS Kiss X7i、つまりAPS-C機ですから、表示焦点距離に1.7倍をすると実際の画面とだいたい同じになります。50 × 1.7 = 85mm相当になりますね。人間の視野が35mm換算50mm相当なので、85mmは中望遠になります。実際買って使ってみるとかなり画角が狭いな、と感じました。今までは「狭い」と思ったときはズームレンズをちょいちょいっとひねって調整ができましたが、単焦点はそういう融通が全く利きません。ぶっちゃけ言って不便です。最初はめちゃくちゃ不便に感じて、単焦点をもう一つ買いました…。
次に出会った単焦点は同じくYONGNUO YN35mm F2.0でした。YN50は6000円で、マウント部もプラスチックだったりしてちゃちさが目立ちましたが、YN35は9000円クラスとなり、全体的に高級感が増しています(とはいえ値段が値段なので安っぽさはあります)。こちらは35mm換算59.5mmになるので、標準レンズのたぐいに属するのではないでしょうか。9.5mmテレ側ではありますが、標準レンズとしては十二分の性能。
YONGNUO YN35mm F2 単焦点レンズ キャノン EFマウント フルサイズ対応 広角 標準レンズ
- 出版社/メーカー: YONGNUO
- メディア: エレクトロニクス
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見た目はほぼ同じです。使っているとたまにどっちつけてるかわからなくなる。
世界一不便なレンズ
単焦点って、写りはいいんですけど、ぶっちゃけそれだけなんですよ。利便性のかけらもありません。特にカメラ初心者からしたら被写体をフレームに収めるだけでも一苦労であることは確かだと思います(私も最初は苦労しました)。
ですが、カメラの仕事ってなんですか?別の言い方をすると…カメラのすることってなんですか?これは先ほどもちらっと述べましたが、世界を切り取る機械こそカメラなんです。世界には一生かかっても名前覚えられないくらいの人間がいるわけで、そこにはひとりひとりの暮らしがあって、ひとりひとりの世界があります。写真家は基本的にその自分から見える世界を切り取っていくことになるわけです。
そう、切り取るわけですから…。極論、被写体をすべて収める必要はないし、ディティールを再現する必要も全くないわけです。見えてる世界をそのまま写し取れば、それがその人の世界の入り口になるわけです。そういった意味ではレンズなんて買いそろえてシステム組む必要なんてこれっぽっちもないんです。ただ、どの焦点距離がその人の世界観に一番近いかっていうところがなかなか合わないから人はレンズを買いあさるのでしょう…多分ね。
とは言え基本は35mm換算50mm。これ今日覚えてくださいね。視野の中で焦点が合ってる範囲っていうのは多分みんなだいたいこの範囲なので、まずはこれを基準にするのが一番いいのかなと思います。
そしてこの35mm換算50mmですごい写真(雑)が撮れるようになれば、どの焦点距離いっても対応できると思います。
話が長くなりましたが、私も修行中…。どうしても便利レンズが他にあるのでそっちを使うことが多くなってしまいがちですが、やっぱり自分が撮ってて一番「写真って考えて撮るものなんだな」って感じるのは、35mmをKissたんに挿してるときです。これが私が35mm単焦点をAPS-Cユーザーにオススメする理由。
ひらめきが足りない
上の画像のキャプションでちらっと「ひらめき」という言葉を使いました。皆さんはひらめくことありますか?まあそんなに頻繁にはないかもしれませんが、どこかでひらめきに出会うというシチュエーションはあるのではないでしょうか。これはあくまでも私見なんですが、標準レンズでの撮影って「王道」とかってものがないのではないかと思うんです。モノの見え方は十人十色ですし、見えているものをそのまま写す標準レンズでの撮影方法も十人十色なんだと思います。そこが一番難しいところですね…。確かに「日の丸構図は避けるべき」とか「焦点は『目』に合わせる」とか、基本的な撮影テクに関する王道は標準レンズでも通用すると思うんです。ですが、何をどう写し取るかっていうところに全く決まった道がないのが標準なんだなと私は思います。
ここで自分が納得できる写真 = 我流の写真が撮れるかどうかっていうのは先ほども少しお話した通り、ひらめき何だと思います。
もちろんひらめきを得るまでの過程にはすさまじい努力が必要なわけです…。35mmにはいつも、私もまだ努力が足りないんだな、と自覚させられます。
【次の記事に続く】