開放より2段絞ったところ

徒然なるままに…主にカメラの事を書いていくことになるかと。

fx-JP900のレビュー

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私今オーストラリアに留学中で、それこそ普通科の高校でも数学や科学をとっていれば電卓はバンバン使います。

それも普通の電卓ではなくてこっちの学校で主に使われるものはいわゆる関数電卓(英語だとScientific calculator)というものです。普通のものとの違いは名前の通り多くの関数を備えていることで、数学・科学分野の複雑な計算を可能としているところです。例えば普通の電卓にsin・cos・tanの計算機能が備わっていることは極めてまれ、というかほぼないといっていいと思います。関数電卓ならば基本的にこれらの機能は網羅しています。

とまあ前置きが長くなりましたが、趣味の写真でも露出の計算とかをするときに√2が大量に出てくるおかげで非常にお世話になります…。対数関数が使えるのも助かります。もちろん日本の学校では関数電卓は使いませんでしたし、家にもありませんでした。なので渡豪してから新しく買ったのですが、どれを買えばいいのかわからなかったのでとりあえずスーパーにあった安いやつを買いました。ですが使っているうちにもっといいのが欲しい!と思うようになり、今出ている関数電卓で「一番いい」やつを買いました。

それがカシオから出ているfx-JP900という電卓。

お値段・入手方法

日本だとだいたい5000円くらいでしょうか?ネットだと3500円くらいでも買えると思います。最上位機種でもそんなに高くないですね。Amazonでも普通に売ってますし、家電量販店にも置いてあるようです。

外観

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大きさは関数電卓としては並程度。Xperia Z5より一回り大きいので、少し大きめのスマホ程度です。邪魔にはなりますが、ポケットには一応収まります。ただし片手だと端っこのボタンまで手が届きません…。右利きの人は左上のSHIFTキーに指が届かないと思います。まあ関数電卓は基本的にテーブルなどにおいて使うことがほとんどなのでさほど問題にはならないと思います。

今までのカシオの関数電卓とは違って非常にデザインを意識しているようです。表面はカーボン調のエンボス処理がされており、一番上の列に並ぶSHIFT、ALPHA、MENU、ONと十字キーはメタル調でキラキラしてます。関数電卓は特にやぼったいのが多いので、こういったタイプは珍しいです。キーのフォントも従来のゴシック調から少し角が立ったフォントになり、個人的にこれは結構好きです。この手のフォントってプログラミングでもよく使われていて、視認性がいいんですよね。

後述しますが、目玉機能の高精細ディスプレイとはいえ今までの関数電卓とサイズは変わらないようです。ただあまり大きくはないものの画素数は4倍とかに増えているので、文字が多くなっても見やすいです。

機能

さてこの電卓を語る上でまず外せないのが液晶画面です。初期の関数電卓の7セグメントに始まり、LCDに遷移した後は進化の一途をたどっています。カシオは初めて関数電卓に「自然表示」という数式を教科書などの表示と同じ自然な形で表示する機能を付けました。これにより分数や根号などの表示ができるようになりました。そしてこのfx-JP900に搭載された液晶が真骨頂です。従来の自然表示からさらに精度を上げて関数電卓としては初となる日本語表示を取り入れました。さらに英語表示でも今までは略称をもちいていたところに全文を入れたり、極め付きにはQRコード表示によるスマホ連携機能やスプレッドシートの操作が可能に。同じくカシオの姉妹機・JP700/500も同様の液晶を搭載していますが、QRコードスプレッドシートはJP900のみの機能です。

また演算能力も同時に向上しており、複雑な計算も素早くこなせるようです。

気に入らないところ…

この電卓の革命的なすばらしさは十分理解しているのですが、それでも道具として気に入らないところがあります…。

まずキーアサイ。数値積分謎のxキーのせいでよく使うキーが裏(SHIFTを押す必要がある)になっています。慣れてしまえば困ることはありませんが、やはり使用頻度が高いものがすぐ使えないのはいささか不便な点です。またRECALLがSTOREの裏になっているのも私としては気に入らない…。せっかくRECALLを押せば全メモリの数値が一挙に確認できるのにそのRECALLキーは裏です。そしてネイピア数 eが裏なのは理解できますが、それが配列の一番下にあるのが面倒…eのべき乗は上の方にあるのに。またこれはカシオ機全般に言えることですが、 \piが裏にあるのはどうにかした方がいいんじゃない?と思います。 \piはもっとも使用頻度が高い定数といってもいいですし、これが表に出ていればかなり計算の効率が上がると思います。

また例の液晶もまだ完全とは言えないようです。高精細になったのはいいのですが、従来機より数字の表示が小さくなってしまいました。また画面の切り替わりの際に少々ラグがあります。機能面に問題はありませんが、改善の余地はあるのだと実感させられます。

これは気に入らないところではありませんが、ここまで来たならパソコンも味方につけてしまってはどうかとすら思います。結局レポートはスマホで作るわけではないですし、パソコンでQRが読めるならば困ることはありませんが、普通はしませんよね…?USBに対応しているポートでパソコンと通信できればいいんだけどな…。

まとめ

よく高機能を謳う商品にはありがちですが、高機能すぎるが故上位機とのすみわけが上手くいかず、中途半端になってしまうという現象。この電卓もそのかわいそうな犠牲者の一人ではないでしょうか…?ここまで機能を突き詰めたならグラフの表示くらいさせてくれてもいいような気がします。

ともあれグラフ関数電卓は高級品ですし、正直グラフならパソコンで作った方が見やすいので、その点スマホをディスプレイ代わりにしてしまうのは正解だと思いました。

今後改善されるべき点としては、どういった機能を電卓に残すかというところ。電卓の良さはシンプルさだと思うので、機能を詰め込み過ぎてもどうなのかなと思います。